終戦80年に向けて⑫~80年目の沖縄戦終結の日に思う
2025.06.23
本日は沖縄慰霊の日。80年前の今日、沖縄戦の組織的な戦闘が終結した日です。沖縄で散華された全ての御霊が安らかならんことをお祈り申し上げます。

沖縄戦では、住民を巻き込んだ激しい地上戦で20万人を超える人が亡くなり、県民の4人に1人が命を落としたと言われていますが、その沖縄を護るために、祖国を護るために、特攻作戦が敢行されました。
昭和19年10月25日に海軍による特攻作戦が開始され、沖縄での陸軍による航空特攻作戦は、米軍主力が沖縄南西にある慶良間(けらま)列島に上陸した昭和20年3月26日から始まりました。特攻隊員の戦死者は、公益財団法人「特攻隊戦没者慰霊顕彰会」によりますと、海軍が4,146人、陸軍が2,225人の計6,371人に上ります。ただし、資料によっては人数に差異があり、戦死者数は確定されていません。

かつて、上皇陛下が皇太子時代、日本人が忘れてはならない4つの日として、沖縄戦終結の日の6月23日、広島、長崎の原爆の日の8月6日と9日、終戦の日の8月15日を挙げており、「沖縄戦終結の日」はその中のひとつであります。

今年、終戦80年を迎えるにあたり、今日の我々は、果たして本当の意味で平和なのだろうかと、ふと考えます。戦争をしていないだけであって、心は貧しくなっていないだろうか。現代社会の問題も含め、色々と考えていくと、戦後、日本人として何か大切なものを失った気がしてなりません。

上島嘉郎元雑誌正論編集長の言葉を借りるならば「後生の日本人を信じて命を捧げてくれた人たち、その献身がいまの日本をつくっている。日本は、現在生きている私たちだけのものではない。過去と未来の日本人のものでもある。現在の私たちの過怠や不作為によって、先祖の名誉を不当に損なわれたままでよいのか。子孫に要らざる負い目を負わせてもよいか」。

戦地に赴いた元軍人の方々は鬼籍に入られ、戦争体験者は少なくなりました。戦争を知らない世代は、国民の8割を越え、9割をも占めると言われている今日、戦争が「記憶」から「歴史」へと変わりつつあります。そして、これからの靖國神社への主たる参拝者は、戦争体験者やそのご遺族から戦争を体験されていない者たちへ変化し、戦争を体験していない者たちが靖國神社をお支えする時代へと突入する、本当の意味での「次代へ繋ぐ」時代にとなると感じています。そして、戦争を体験された方々から直に話を聞いた我々世代が、これからの日本を支えていく次代を担う世代へ伝えていかなくてはならないものがあるとの想いが日増しに強くなっているのが現実です。

今回、その沖縄戦時に、困窮する食糧確保のため、米を調達したり、疎開を促進したりするなど「県民の命を守るため」に可能な限りの施策を考え、陣頭指揮を執った当時の県知事島田叡にスポットを当てて、6月29日に終戦80年特別企画イベントを企画しました。戦争が激化し、摩文仁(まぶに)の丘に追い詰められた際、県庁組織の解散を命じ、ともに死ぬという部下に「生きぬけ」と伝え、逃したのは有名な話ですが、島田叡の人物像から島田叡の目から見た沖縄戦、そして、後世に伝えたかったものは何であったかのか。

御席はまだございますので、以下のURLよりお申し込みください。
https://forms.gle/bGerd99rXUnBJwwG8

先人の思いが次代を担う若者たちに届きますように。
2025.06.23 19:25 | 固定リンク | その他

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