終戦80年に向けて⑤~『大東亜戦争の道』を再読して
2024.08.09
本日は、長崎に原爆が投下された日。上皇陛下が「日本人として忘れてはならない4つの日」のうちの1つ。
広島に落とされた原爆はウランを用いた小型「リトルボーイ」に対し、長崎はプルトニウムを用いた太めの「ファットマン」。米国はタイプの違う2種類の原爆を日本に投下した。「ファットマン」は「リトルボーイ」の約80倍の威力だという。タイプの違う原爆を投下し、大量の民間人を殺した、この国際法を無視した無差別殺人を我々は決して忘れてはならない。
また、この日はソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して、満州、北鮮、樺太、アリューシャンへの侵攻を開始した日でもある。国際法を無視した、この屈辱なる出来事も決して忘れてはならないことである。

毎年、この時期になると、考える。「あの戦争は何だったのか」と。

今までにも、色々な書籍や雑誌、講演などを見聞きし、色々な考え方を得てきたのだが、やはり、平成二年十二月八日第一刷発行、中村粲著『大東亜戦争への道』に戻り、その論考が、私の心の的を得て、外さない。

「大東亜戦争とは何だったのか―。侵略戦争史観が世を風靡する中で、真面目なる多くの国民が心のどこかに抱き続けてきたに違いないこの疑問に対して、本書は一箇の新しい視点と解釈を提供せんとするものである。戦後の滔々たる自虐史観の風潮の中で、依然として東京裁判判決を盲信し、あの戦争の原因責任ともに日本にありとして、祖国の過誤失点のみを内外に揚言して時を得顔なる学者・言論人が少なくない。彼等の筆になる歴史書・歴史教科書また日本の歴史を出来るだけ醜悪に描くことを以て進歩的なりと自負するかの如くである。筆者は、戦争には多くの場合、複雑な史的背景と原因がありと信ずるが故に、斯かる一方的な日本断罪史観を認め得ないのである。戦争は多くの些細な累積因の上に発生するものだ。歴史の中には、他日戦争を導くことになる禍根が随所に散在する。それら一つ一つが戦争と平和への道を分けてきたと云へるだろう。そのやうな戦争と平和の分岐点が何処にあったのか―この小著はかかる問題を考察しつつ、いわばマクロ的見地から大東亜戦争の意味について思索を促すことを意図とするものである。(中略)かと云って、大東亜戦争を実際以上に美化するものでない―――」と。

600ページ以上にもわたるこの著書は、歴史的な客観的な細かな事実の積み重ねによって分析されており、そして、「大東亜戦争」とは、以下の二大底流の合する所に生起せる戦争として叙述する。
①門戸開放主義をめぐる日米抗争=東亜をめぐる日本の現実的要求と米国の観念的道徳主義的主張との衝突
②共産主義との戦い=ロシア革命以後の共産主義防遏の戦い

「あの戦争で多大な血が流され、命が失われ、財産が無となった。そして、破れたことによって、明治維新以来の先人達の努力が水泡に帰したことも事実である。だが、結果論的に敗れた戦争を裁断するのではなく、戦争に至った明治以来の歴史の流れを、当時の人々の心を我が心として振返る時、あの戦争を『愚かな戦争』と傍観者的に冷笑することはできない。それは、歴史を担った誠実なる人々に対する冒涜のやうに思われるのだ。『破滅への道』を願った日本人は一人も居なかった筈だ。誤算を不誠実と混同してはならぬ。歴史は皮肉であり、気紛れであり、また過酷である。(中略)ともあれ、敗れた日本だけを断罪するには、大東亜戦争は余りに複雑で巨大な歴史を背負ってゐた」。

戦後日本人の歴史認識を深く汚染する、東京裁判史観。この「東京裁判史観」に毒された「自虐史観」に染まる日本人も少なくない。しかし、いつまでこの「東京裁判史観」に毒されなくてはいけないのか。上記の中村粲氏が言うように、片方の一方的な理由で戦争が始まった訳ではない。しかも、民間人を大量に殺されているにもかかわらず。広島市の平和公園にある原爆慰霊碑「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と何故、刻まれなければならないのか。

今もなお、東京裁判史観に毒された日本人に目を覚まして欲しいとの思いで、今年もまた「靖国神社昇殿参拝、遊就館見学」イベントを8/24(土)に開催する。
https://www.tamagawa-miraijuku.com/event.html
反日左翼、リベラルの連中が何て言おうと、先の大戦で命を賭して戦ってくださった英霊のお陰で今日の日本の平和がある。本殿にて昇殿参拝して英霊に感謝の誠を捧げ、靖国神社職員のお話を聞き、そして遊就館を拝観して、学校教育では知ることの出来ない歴史の真実に触れていただきたいと思う。

本日は、長崎での原爆投下によってお亡くなりになられたすべての御霊のご冥福をお祈りさせていただき、心静かに手を合わせ、鎮魂の誠を捧げたいと思う。
2024.08.09 07:52 | 固定リンク | 未分類

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