リーダー・イン・ミー「7つの習慣」と実践教育
2021.12.17
唐突ですが、皆さんは「7つの習慣」をご存知であろうか。

米国のスティーブン・R・コヴィー博士(1933年~2012年)が、過去から現在に至るまで、偉人、賢人、いわゆる「すごい」と言われる人たちは、成功する習慣を身につけ、これを明らかにし、その原則を「7つの習慣」としてまとめたものです。

それは、アメリカ建国以降、成功者に関する200年分の文献を分析すると次のような特徴がみられました。
最初の150年間は成功するためには「誠実」「勤勉」「謙虚」などといった、個人の資質にフォーカスされていることが分かりました。

しかし、後半の50年間は、「スキル」や「テクニック」を身に着けることで成功を手に入れることが出来ると謳っていました。

そこでコヴィー博士は、それぞれの成功者の共通点に注目し、人間の成長過程で必要な習慣を構造化したのが「7つの習慣」です。

リクルートマネジメントソリューソンズが分かりやすく概略を紹介しているので、以下、引用いたします。
◆第1の習慣「主体的である」 
「自己責任」の習慣です。今の自分は自分が選択した結果である。主体的な人の考え方です。しかし、うまくいかないことを他人や組織、環境のせいにし、不平や不満を言い続ける。このような人も見かけますね。自分が出来ることに集中し、主体的に動くことが一番目の習慣「主体的である」です。
◆第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」
「パーソナル・ビジョン」の習慣です。自分の軸を持ち、方向性を明確にして始めれば、はしごの掛け違いは起こりません。もともとやるべきでなかったことを能率・効率よくやることほど「無駄なことはない」、と言うことです。
◆第3の習慣「最優先事項を優先する」
「パーソナル・マネジメント」の習慣です。 私たちは緊急事項に振り回されることが多々あります。でも緊急だからと言って必ずしも重要とは限りません。緊急ではなく重要なことに時間を投入することが大切です。すると・・・、緊急且つ重要なことは徐々に減っていきます。

ここまでの第1から第3の習慣は、個人の自立を促す習慣です。
個人と個人の間では人間関係が発生します。より良い関係を築く習慣を次にご紹介します。

◆第4の習慣「Win-Winを考える」
「相互利益」の習慣です。自分が勝つか負けるかしか考えない人ばかりが存在していたら、どんなチームや組織になるでしょう。企業間競争も、勝つか負けるしかない選択肢で競争し続けても、お互いに得るものはありません。特に大切な人間関係や、顧客、取引先との関係も「Win-Win」を考える姿勢が大切です。
◆第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
「共感によるコミュニケーション」の習慣です。私たちが抱えている問題のほとんどは、コミュニケーション不足に起因します。自分の意見ばかり主張し、相手の意見を聞こうとしない会話は、関係性が悪くなるばかりです。相手の考えや思いをじっくり聞き、相手の考えを理解してから、自分の考えを伝えみる、その繰り返しで相互理解が深くなります。最初に相手を理解し、次に自分を理解してもらう順番が大切です。
◆第6の習慣「シナジーを創り出す」
「創造的協力」の習慣です。コミュニケーションを重ねていくとお互いの違いも見えてきます。その違いを避けるのではなく、違うことを快く受け入れて、活かし合うと素晴らしい案=第三案が生まれ、1+1=3以上の結果を出すことが出来るのです。
組織には多様な人が集まっています。皆の違いを生かせば、無限大のアイデアが生まれます。
◆第7の習慣「刃を研ぐ」
「毎日の自己再新再生」の習慣です。環境変化の激しい今の時代は、主体的に自分自身の価値を高めることが求められています。第1の習慣~第6の習慣を実践するためには、自分そのものを磨き続けることが大切です。

以上が、「7つの習慣」の概略です。

2013年に『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』が発刊されました。いわずと知れた世界的な名著であり、自己啓発に関連する書籍として、日本でも最も有名といっていい本の1つですが、本書は、初版の『7つの習慣――成功には原則があった!』に読みやすく手入れをした新版です。
なお、副題は「人格主義の回復」と改訂されています。社交的なイメージの作り方など、表面的なテクニックによって成功しようとする「個性主義」の方法ではなく、誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐など人間の内面にある人格的な部分を磨く「人格主義」でしか真の成功は得られないと著者は説いています。そのうえで、人格を磨くための具体的な習慣(行動指針・思考指針)を示すということが改めて強調されています。
近年有名となった『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学の考え方にも近い部分があり(そのことは『嫌われる勇気』の中でも触れられている)、『嫌われる勇気』の考え方に共感した方は、本書の内容にもなじみやすいのではないでしょうか。『嫌われる勇気』はより理論的・哲学的な面が強く、本書はより実践的・現実的な面が強いと考えています。

この「7つの習慣」はビジネスをはじめ、家族、人間関係、教育現場など幅広い分野で取り入れられ、自己啓発のバイブルとして活用している人もいます。
その、考え方を教育現場で実践した先生がいました。その先生の名前は「渡邉尚久」先生。

「7つの習慣」を子供たちに教えるにはどうしたら良いのか。
『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士は以下のように答えています。

<アルベルト・シュバイツァーは、子育てには3つの基本的なるーるがあると言っています。第一に、手本を示す。第二に、手本を示す。第三に手本を示す。私もそのようにしたいと思いますが、とてもそこまでいきませんね。そこで私が考える3つのルールは、「第一に手本を示す。第二に愛情深く思いやる関係を築く。第三に『7つの習慣』の基本的な考え方を子供の言葉で分かりやすく教える」というものです。「7つの習慣」の基本と用語を理解させ、自分自身の体験を原則に従って進めていく方法を教えるものです。自分の生活の中で、どのような原則と習慣を実践できるのか教えてあげればよいのです。>

例えば、子供の言葉で分かりやすく教えるとどういう言葉になるか。『ぼくに7つの習慣を教えてよ!』(キングベアー出版)では以下の言葉に置き換えています。

「自分から始めよう」
◆第1の習慣「主体的である」=「自分で考えて行動する、自分に責任を持つ」
◆第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」=「ゴールを決めてから始める。何が大切かを考える」
◆第3の習慣「最優先事項を優先する」=「大事なことから今すぐに。自分の約束を守る」

「信頼貯金」

「周りの人たちのことを考えよう」
◆第4の習慣「Win-Winを考える」=「Win-Winを考える。みんながハッピー」
◆第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」=「わかってあげてから、わかってもらおう。お互いに分かり合おう」
◆第6の習慣「シナジーを創り出す」=「力を合わせる。みんなで考えた方がうまくいく」

「自分を大切にしよう」
◆第7の習慣「刃を研ぐ」=「自分を磨く。成長し続ける」

渡邉先生は、教師の一人として、教育改革が進む中、どうすれば子供たちに、元気と勇気、そして生きる力を与えることができるかということをずっと考えてきたと言います。そして、「日本が急激に変わってきた、おかしくなってきたのでは?」という思いが、渡邉先生の心を支配していき、「なぜだろう?こんなに急に変わるのにはきっと原因があるはずだ。それが何なのかしっかりと探し出そう。そして、何らかの手を打たなければさらにひどくなるに違いない。そのためにはないが必要なのかを考えよう」と成功哲学を子供に教えたら、子供たちが豊かな人生を送ることが出来るんではないかと手にした本が『7つの習慣 成功には原則があった』だと『7つの習慣 小学校実践記』(渡辺尚久著・キングベアー出版)に記しています。そして、渡邉先生の奮闘記が始まり、その結果、「7つの習慣」は子供たちにも十分理解できるどころか、素晴らしい結果をもたらしてくれたと語ってくれました。

『7つの習慣 小学校実践記』(渡辺尚久著・キングベアー出版)で渡邉先生は、『ぼくに7つの習慣を教えてよ!』(キングベアー出版)で置き換えられた言葉を、さらに子供たちにわかりやすく、実践的な言葉に置き換えて伝えています。

では、どういった方法で、渡邉先生は子供たちを導いていったのか。
その内容をぜひ、多くの方々に聞いていただきたいとの思いから、私は、この素晴らしい先生の講演会を以下の日程で開催することとしました。

【日時】令和4年1月8日(土)12時受付開始、13時開会、14時30分閉会予定

【内容】講演「リーダー・イン・ミー~自分自身のリーダーになる~」(質疑応答含め90分)
講師:渡邉尚久氏(一般社団法人The Global Leadership Impact Fund Japan代表理事)
※ライブ配信実施

【会場】たましんRISURU小ホール(立川市錦町3-3-20)

【アクセス】JR中央線立川駅南口より、徒歩13分、JR南武線西国立駅より、徒歩7分、多摩モノレール立川南駅より、立川南通りを直進。徒歩12分。

【定員】100名(先着順、定員になり次第締め切り)

【入場料】3,000円(税込み)
     ライブ配信申込3,000円(税込み)

【主催・問合せ先】寺子屋「玉川未来塾」TEL:090-7224-3490 FAX:042-519-7101
メール:tamagawamiraijuku@gmail.com

【申込方法】「教育問題講演会」と明記し、郵便番号、住所、氏名、電話番号、チケット希望枚数を記入の上、下記の要領で受付。
①はがき:〒196-0022昭島市中神町1140-28 浜名住宅2F 玉川博一宛
②ファクス:042-519-7101
③ネット:申込専用フォーム(Googleフォーム)
(https://docs.google.com/forms/d/1fYaBzsel9GDNaZz4MRD3qB2bCJd75-cO44b8mJ3NJQY/edit)
※約1週間以内に入場予約券を送付。当日、入場予約券を提示の上、入場料をお支払いいただきます。
※来場者には正論SPvol.3「産経教育委員会100の提言」をプレゼント。

【ライブ配信申込】ツイキャスにて
(https://twitcasting.tv/g:104311280613070825878/shopcart/109566)

【講師プロフィール】
渡邉尚久氏(一般社団法人The Global Leadership Impact Fund Japan代表理事)
千葉県船橋市出身。公立小学校教員、県教育庁、市教育委員会、公立小学校教頭、県教育庁、公立小学校校長を経て、現在は県教育庁勤務。『7つの習慣』を日本の公立小学校で初めて授業実践した。書籍『7つの習慣小学校実践記』(キングベアー社)他。

ご興味のある方は、ぜひ、足を運んでいただきたいと強く思います。

そして、目まぐるしく変化し続けていく現代社会において、私たちは、子供たちとどう向き合うべきなのか。このイベントを通じて、「教育」について、一緒に考えを深めていけましたら幸いです。
2021.12.17 09:51 | 固定リンク | イベント

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