共産主義の歴史戦に乗じてはならぬ
2023.08.03
昨年の7月31日、「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」講演会&トークライブというイベントを主宰した。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになり、その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれており、近現代史がアップデートされている現実が現在進行形で進んでいる。
このような事実を受け、アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告してもらおうと、評論家の江崎道朗先生と麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授にご登壇いただき、欧米で広がっている戦勝国史観の見直しの現状と、現在進行形で行われている共産主義の脅威についてお話をいただいた。
そのイベントの中で「『共産主義という思想の存在に危機感を持って注視すること』が大切であり、日本のメディアに頼るのではなく、日々、国際政治に目を向け、世界の流れを注視することが重要である。そして、視野の狭さは国益を損なう」という先生方の言葉が、今の世の中の流れを客観的に見た時に、その共産主義の手中にのってしまった保守もいるのではないかと感じるのと同時に、自分自身の在り方が問われる時代になったと実感する。
先日、台湾との外交関係を維持する中米グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領が、首都グアテマラ市の大統領府で読売新聞の単独インタビューに応じたとして、ジャマテイ氏は2020年の就任以来、中国から「台湾との断交」を条件に巨額のインフラ投資など様々な申し出を受けたが、いずれも拒否したことを明かした。「我々は友人(台湾)を売り渡す習慣はない」と述べ、台湾との外交関係を維持する姿勢を強調したとの報道があった。
台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち、中南米・カリブ地域には7か国が集中し、中でもグアテマラは最大の人口や経済規模を誇る国だ。
しかし、同地域では近年、台湾と断交し、中国と国交を樹立する「断交ドミノ」が進んでおり、2017年以降、ホンジュラスなど5か国が相次いで中国にくら替えし、ジャマテイ氏は「中国は特に経済的な問題を抱えた国々を買い取っている」と指摘している。そして、「身売りするならこれ以上の買い手はない、と思わせるような申し出をたくさん受けてきた」と証言している。
昨年、江崎道朗先生、ジェイソン・モーガン先生が話され、現在進行形で動いている共産主義の脅威は、上記の中国、そして、ウクライナ侵攻をしているロシアなどに象徴されているのと同時に、日本のマスコミにも浸透しているのではないかと思うほどである。
岸田政権の経済政策などネガティブな政策が多分に行われる現実に自分も憤りを感じるが、安全保障政策などは、安倍政権でも成し得なかったことをひとつひとつ実行している現実もある。しかし、マスコミ報道はネガティブな報道ばかりが目立ち、良い成果をもたらしている情報は大きく取り上げられない。そして、ネガティブな報道は反岸田を煽り、打倒岸田政権へと国民感情を動かす。さらには、保守を分断させるような報道も見受けられる。
しかし、ちょっと待って欲しい。その情報に煽られた国民はどうするつもりなのか。自民党に反対票を投じ、野党に政権を譲り渡しても良いと思っているのか。日本維新の会に力はあるのか。国民民主党が良いのか。参政党で良いのか。それぞれ魅力がある政党かもしれない。しかし、客観的に見た時に今の日本を救えるだけの力があるのかは、私は疑問である。民主党政権時のような二の舞はまっぴらごめんだ。
と、このように、昨日まで思っていたが、仙台市議会議員選挙の結果を見て、和田政宗参議院議員が以下のような選挙結果を、8月3日のFacebookでアップしていた。
仙台市議選の開票結果を計算した。
前回に比べ得票数は、
自民 -23800
立民 -10300
共産 -10300
国民 -4900
公明 -1100
維新 +21300
参政 +11200
れいわ +3000
(いずれも前回候補者無)
※2桁以下は切り捨てて表記
※投票率下落で有効投票数-1万票
自民党は大きく得票を減らし深刻な状況。
この数字からも、前回は自民党に投票し今回は投票しなかった方々が、維新、参政へ投票したか、投票に行かなかったと分析できる。
この分析は大きく外れてはいないであろう。
今まで自民党を応援していた本来の支持者をも、自民党から距離を置くようになったのと同時に、従来の自民党支持者をも敵に回ってしまっている現実を、元に戻すといった信頼回復には、起死回生の政策がなければ、相当な時間が必要なのではないかと思う。
その自民党も一枚岩ではない。
そもそも自民党は、1955年11月15日に吉田茂党首が率いる「自由党」と、鳩山一郎が率いる「日本民主党」が合同し、自由民主党が結成されたこと。これに先立って社会党再統一が行われていたことから保守政党と革新政党のそれぞれに大政党が誕生することとなり、55年体制が成立した。そして、憲法改正を最も意欲的に実行しようとしていたのは「日本民主党」であって、宏池会の前身である「吉田学校」の親である吉田茂率いる「自由党」ではない。こうしたことからも分かるように、自民党は雑多な思想が混在した政党であって、従来あるべき、保守政党ではないと私は考えている。
しかし、LGBT法案成立の際に反対した議員がいたことでも分かるように、亡くなられた安倍晋三元首相のように、保守議員は多数存在するし、そうした保守議員を応援することを何故しないのであろうかとつくづく思うのである。マスコミのネガティブキャンペーンにズッポリと埋まってしまい、反自民党へと動く保守派に私は残念だと思う気持ちしかない。
そんな中、自民党女性局フランス研修の旅行と疑われても仕方がない写メをFacebookにアップするなど、安倍晋三元首相が亡くなってから、タガが外れたかのように色々な問題が噴き出てくるが、このように、身内から矢を引くような行動をする議員には、どうしたものかと思わざるを得ない。
それでも、私は、反日マスコミや左翼・リベラルの、民意にすり寄り、引き剥がそうとする歴史戦が展開されているという現実を忘れてはならないと思っている。そして、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領のように、国益のためには何が必要であるのか。共産主義の甘い誘いに乗ることなく、現実を注視しつつ、客観的に見れる視野を常に持ち続けたいと思う昨今なのである。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになり、その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれており、近現代史がアップデートされている現実が現在進行形で進んでいる。
このような事実を受け、アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告してもらおうと、評論家の江崎道朗先生と麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授にご登壇いただき、欧米で広がっている戦勝国史観の見直しの現状と、現在進行形で行われている共産主義の脅威についてお話をいただいた。
そのイベントの中で「『共産主義という思想の存在に危機感を持って注視すること』が大切であり、日本のメディアに頼るのではなく、日々、国際政治に目を向け、世界の流れを注視することが重要である。そして、視野の狭さは国益を損なう」という先生方の言葉が、今の世の中の流れを客観的に見た時に、その共産主義の手中にのってしまった保守もいるのではないかと感じるのと同時に、自分自身の在り方が問われる時代になったと実感する。
先日、台湾との外交関係を維持する中米グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領が、首都グアテマラ市の大統領府で読売新聞の単独インタビューに応じたとして、ジャマテイ氏は2020年の就任以来、中国から「台湾との断交」を条件に巨額のインフラ投資など様々な申し出を受けたが、いずれも拒否したことを明かした。「我々は友人(台湾)を売り渡す習慣はない」と述べ、台湾との外交関係を維持する姿勢を強調したとの報道があった。
台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち、中南米・カリブ地域には7か国が集中し、中でもグアテマラは最大の人口や経済規模を誇る国だ。
しかし、同地域では近年、台湾と断交し、中国と国交を樹立する「断交ドミノ」が進んでおり、2017年以降、ホンジュラスなど5か国が相次いで中国にくら替えし、ジャマテイ氏は「中国は特に経済的な問題を抱えた国々を買い取っている」と指摘している。そして、「身売りするならこれ以上の買い手はない、と思わせるような申し出をたくさん受けてきた」と証言している。
昨年、江崎道朗先生、ジェイソン・モーガン先生が話され、現在進行形で動いている共産主義の脅威は、上記の中国、そして、ウクライナ侵攻をしているロシアなどに象徴されているのと同時に、日本のマスコミにも浸透しているのではないかと思うほどである。
岸田政権の経済政策などネガティブな政策が多分に行われる現実に自分も憤りを感じるが、安全保障政策などは、安倍政権でも成し得なかったことをひとつひとつ実行している現実もある。しかし、マスコミ報道はネガティブな報道ばかりが目立ち、良い成果をもたらしている情報は大きく取り上げられない。そして、ネガティブな報道は反岸田を煽り、打倒岸田政権へと国民感情を動かす。さらには、保守を分断させるような報道も見受けられる。
しかし、ちょっと待って欲しい。その情報に煽られた国民はどうするつもりなのか。自民党に反対票を投じ、野党に政権を譲り渡しても良いと思っているのか。日本維新の会に力はあるのか。国民民主党が良いのか。参政党で良いのか。それぞれ魅力がある政党かもしれない。しかし、客観的に見た時に今の日本を救えるだけの力があるのかは、私は疑問である。民主党政権時のような二の舞はまっぴらごめんだ。
と、このように、昨日まで思っていたが、仙台市議会議員選挙の結果を見て、和田政宗参議院議員が以下のような選挙結果を、8月3日のFacebookでアップしていた。
仙台市議選の開票結果を計算した。
前回に比べ得票数は、
自民 -23800
立民 -10300
共産 -10300
国民 -4900
公明 -1100
維新 +21300
参政 +11200
れいわ +3000
(いずれも前回候補者無)
※2桁以下は切り捨てて表記
※投票率下落で有効投票数-1万票
自民党は大きく得票を減らし深刻な状況。
この数字からも、前回は自民党に投票し今回は投票しなかった方々が、維新、参政へ投票したか、投票に行かなかったと分析できる。
この分析は大きく外れてはいないであろう。
今まで自民党を応援していた本来の支持者をも、自民党から距離を置くようになったのと同時に、従来の自民党支持者をも敵に回ってしまっている現実を、元に戻すといった信頼回復には、起死回生の政策がなければ、相当な時間が必要なのではないかと思う。
その自民党も一枚岩ではない。
そもそも自民党は、1955年11月15日に吉田茂党首が率いる「自由党」と、鳩山一郎が率いる「日本民主党」が合同し、自由民主党が結成されたこと。これに先立って社会党再統一が行われていたことから保守政党と革新政党のそれぞれに大政党が誕生することとなり、55年体制が成立した。そして、憲法改正を最も意欲的に実行しようとしていたのは「日本民主党」であって、宏池会の前身である「吉田学校」の親である吉田茂率いる「自由党」ではない。こうしたことからも分かるように、自民党は雑多な思想が混在した政党であって、従来あるべき、保守政党ではないと私は考えている。
しかし、LGBT法案成立の際に反対した議員がいたことでも分かるように、亡くなられた安倍晋三元首相のように、保守議員は多数存在するし、そうした保守議員を応援することを何故しないのであろうかとつくづく思うのである。マスコミのネガティブキャンペーンにズッポリと埋まってしまい、反自民党へと動く保守派に私は残念だと思う気持ちしかない。
そんな中、自民党女性局フランス研修の旅行と疑われても仕方がない写メをFacebookにアップするなど、安倍晋三元首相が亡くなってから、タガが外れたかのように色々な問題が噴き出てくるが、このように、身内から矢を引くような行動をする議員には、どうしたものかと思わざるを得ない。
それでも、私は、反日マスコミや左翼・リベラルの、民意にすり寄り、引き剥がそうとする歴史戦が展開されているという現実を忘れてはならないと思っている。そして、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領のように、国益のためには何が必要であるのか。共産主義の甘い誘いに乗ることなく、現実を注視しつつ、客観的に見れる視野を常に持ち続けたいと思う昨今なのである。