歴史を学ぶことの意義
2023.02.13
私の持論だが、自国を守るべき安全保障の環境を整えていくことはもちろん大切なのだが、「国を護る」心を持つ次代を担う若者たちが育たなければ、日本国を継承することができないと考えている。そのために「国民を育てる歴史教育」が必要だと自分は思っている。

我が国はGHQ政策の「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」により、国民を育成する歴史教育(国史)を忘れ去られてきた。そして、今も自我形成期に自国の歴史を暗記科目として学び、そして忘れ、ある場合には日本は悪い国、先祖は悪い人と教える歴史教育が現在進行形で存在している。

内閣府による自己肯定感の国際比較では毎回日本が最低。子供達の自己肯定感の異様な低さは、教師の歴史観や国家観、間違った歴史教育が原因なのだという考えに私は至っており、歴史教育が日本国民としてのアイデンティティーを確立させていない現実があると考えている。

反対に、正しい歴史教育によって先人に感謝し祖国を誇りに思うようになると、自己肯定感は高くなる。歴史教育が「自分はあるがままで価値がある」「自分が生まれてきたことには意味がある」という思いを育てるからだ。

ある小学生の感想文を紹介しよう。

「日本の歴史人物・リーダー達は、多くの迷いや苦悩があっても、国の運命のために決断をして、日本を守ってきた。その人たちにぼくはとても感謝している。これからは自分の番だということを意識して、国づくりのバトンを受けつぎ、誇りある日本人として生きていきたい」。

この感想は正しい歴史教育の授業を受けた生徒の感想文である。
こういった人材を育て、そして、確立された安全保障環境を担い、継承してく若者が多くなることが重要であると私は思う。

しかし、昨今の日本を見てみると、心無い事件が多発し、人のありがたみを感じない振る舞いをする人が多くなったように見受けられる。現代の日本人は、GHQの戦後政策(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)により、こんなにも日本の精神が骨抜きになってしまったのか、と思うほどだ。
「そんなにも人様に感謝する心がないのか」
「お互い様、お陰様という言葉を知らないのか」
「自分だけが良ければよいのか」
「自分勝手な振る舞いが周りに迷惑をかけていることも分からないのか」
などなど・・・。

「こんな日本にするために我々は死んでいったのではない」と英霊からの声が聞こえてきそうである。

先の大戦で亡くなった先人は、将来を担う我々に何を託したのか。
その答えを、今一度、先人から学ぶ必要があるのではないのか。そして、正しい歴史を学び、その歴史が何を語ってきたのかを考える必要があるのではないだろうか。
最近、この様に思い、そしてその思いが強まってきた。

今日の平和があるのは間違いなく、先の大戦で命を賭して戦ってくださった英霊のお陰である。先祖の尊い犠牲があったからこそ、今日の平和があるのだ。そして、歴史は日本という国の「国づくり」の歩みであり、私達は先人の尊い、膨大な数の「命のバトン」を受け継いで、今ここに生きていることを認識すべきだと考えるのである。
そのような思いから、令和5年度も国のために尊い命をささげた先人を弔い、戦没者慰霊の中心施設である靖國神社に昇殿参拝し、英霊に感謝をして、そして8月のイベントでは遊就館を見学することによって今日の学校教育とは違った視点から歴史を学び、心から平和を祈ることを目的に以下の内容でイベントを実施することとした。


①「靖國神社昇殿参拝&トークライブ」※アーカイブ配信あり
日時:5月27日(土) 12時受付開始 13時昇殿参拝、13時30分講演開始(90分予定)
場所:靖國神社啓照館
登壇者:奥本康大氏(「空の神兵顕彰会」会長)、葛城奈海氏(ジャーナリスト)
定員:200名
参加費:4,000円(玉串料含む)

②第8回「靖國神社昇殿参拝、遊就館見学」イベント
日時:8月26日(土) 12時受付開始 13時昇殿参拝、13時30分講演開始
場所:靖國神社参集殿、遊就館(小学生~成人までを対象)
講師:禰宜 松本聖吾総務部長
テーマ:「次代へ繋ぐ英霊の思い」(仮題)(60分予定)
講演後、遊就館自由拝観
定員:100名
参加費:大人:3,000円 /小・中・高校生2,000円(玉串料、遊就館拝観料含む)

③「靖國神社昇殿参拝&トークライブ」※アーカイブ配信あり
日時:9月24日(日) 12時受付開始 13時昇殿参拝、13時30分講演開始(90分予定)
場所:靖國神社靖國会館
登壇者:柿崎ゆうじ氏(カートコーポレイトグループ代表取締役会長・映画監督)、葛城奈海氏(ジャーナリスト)
定員:100名
参加費:4,000円(玉串料含む)
 
【告 知】 寺子屋「玉川未来塾」HP、Facebook、Twitter、PRチラシなどで展開する
【申込み】 Googleフォーム、チラシ(FAX)、はがきにより受付
※申込時に参加費を指定口座に振り込む。入金確認後、「入場予約券」を送付
※「入場予約券」は当日受付にて提示し、引き換えに「入場券」(②については「遊就館拝観チケット」も)を渡す
【主 催】 寺子屋「玉川未来塾」


月刊正論3月号において、佐伯啓思京都大学名誉教授と川久保剛麗澤大学教授が「日本における保守とは何か」との対談が掲載されている。その内容はとても読みごたえがあり、そして、考えさせられるものである。
「左翼に対して保守は何を言うべきか」「保守は今、何を問題にするべきか」「国力を高め、国防や安全保障を万全にするということは、保守とリベラルという思想の対立以前の近代国家として当然の課題」「社会科学と文学の間隙にある問題」「『存在の思想』と『無の思想』」など、とても多くの論考が参考になるのだが、私は以下の川久保教授の「リベラリズムの影響によって日本人の伝統的な宗教観、自然観、死生観も大きく変容してきた面があると思いますが、、そうした点について先生はどのようにお考えでしょうか」との問いに対して、佐伯名誉教授の答えに大きな関心を持った。

佐伯名誉教授は「その点については、私は最近、案外と楽観的になっていて、無や無常を前提にした自然観や死生観はわりと現代の日本人の中に残っている気がします。自然に対する愛着とか、ある種の和の精神でうまい具合に自主的秩序をつくっていく。社会の秩序や道徳を、何かによって強制されるわけではなく、人間の理性や合理性でつくりだすのでもなく、ごく自然に試行錯誤しながら一つのまとまりをつくっている。そういう柔軟な能力が日本人にはあると思います。ただそれはマイナスになるときもあればプラスになるときもある。コロナでよくいわれましたが、自粛だけである程度うまくいく国なんてほかにない。ただ、同調圧力など窮屈な面もあるし、政治的責任などという観念とうまく合いません。だけどみんなが自発的に自粛することによって、コロナをある程度は抑えることができた。中途半端だといえば中途半端で、いい加減といえばいい加減です。いい加減というのは、文字通り、ちょうどよい加減を知るということです。それは日本人の知恵だとみた方がいいでしょう。ただ、この日本的な知恵をわれわれは本当の意味で分かっていない。どうしてかというと、それは日本のエリートが日本を駄目にしているからでしょう。エリートというのは要するに、東大出の官僚であり、東大出の学者であり、東大出のメディア関係者であり、東大出の政治家であり、東大出の財界人たち。こういう日本のトップエリートは基本的にグローバリストであり、アメリカにストであり、合理主義者であり、端的にいえば近代主義者です。もちろん東大出というのは象徴的な言い方で、要するに東大型の極めて偏差値の高い、あらゆる問題に対してそれなりの正解を出す日本の学歴エリートという意味ですが、このエリートたちが日本を引っ張っている。だけどこのエリートは、一般庶民の感覚からずいぶん離れてしまったように思います。だから官僚はほとんど信頼を失ったでしょう。政治家は自分の言葉を何も語れない。大学の学者は専門に閉じこもって社会への影響力をほとんどもてない。ジャーナリストはその場その場の発言に終始し、これも存在感を示せません。しかし彼らはたいへんな秀才エリートです。秀才エリートのもとでこの国は、がたがたになっている。そうだとしたら、その次に出てくるものは何か。わりと昔からある、『ああ、こういうことがやっぱり大事だったな』『こういうことはやっぱりちゃんとやっていかないと駄目だ』というような常識にかえることになるのではないかと思う(後略)」。

心ないマスコミが報じる情報に踊らされ、財務官僚の理屈に政治家が踊らされ、日本の社会がおかしな方向へと導かれてしまっている。
そして、ネットによって正しい情報を知ることができる時代であるにも関わらず、その状況の変化を求めない者もいる。ダーウィンの進化論ではないが、「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」との言葉が思い出される。我々が状況の変化に対応し、そして、佐伯名誉教授が言うように、「ああ、こういうことがやっぱり大事だったな」「こういうことはやっぱりちゃんとやっていかないと駄目だ」と思うことが大切なのではないだろうか。

寺子屋「玉川未来塾」の勉強会で、渡辺利夫拓殖大学顧問より「歴史を学ぶことの意義」の講義を受けた。
その際に「人間は同じことを繰り返す『循環史観』に基づく」存在であると話された。そして、「自分が存在する=血脈が誰一人欠けることなく生き繋がれる」ことの大切さを論じ、山本夏彦氏の言葉を引用し「歴史伝統に耳を傾ける=『読書とは死者との対話である』」とお教えいただいた。また、祖先から脈々と受け継がれた血脈=伝統を守ることは運命であるとも説かれたのである。

もう一つの運命として日本という国家にも触れ、日本の伝統の本質について説かれた。
①同質的
②自成的
③連続的
日本の歴史を再確認する「式年遷宮」や「皇室」はその連続的を意味し、そして「天皇家は文明の歴史的象徴である」と。


歴史観、国家観、道徳観など。
先人たちは、私たちの祖先たちは、正しい物の見方、振る舞い方、行動の仕方など、現代日本人に欠けている大切なのもを残してくれている。

今だからこそ、我々は多くのことを今一度、歴史から学習すべきである。そして、改めて先人の知恵や気概、正しい歴史観、国家観を学び、深める必要があると感じるのである。
2023.02.13 11:05 | 固定リンク | イベント

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