「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」イベントを開催するにあたり
2022.07.04
来る7月31日(日)に銀座ブロッサムにおいて、評論家の江崎道朗氏、そして、麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授にご登壇いただき、「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」講演会&トークライブを主催する。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになったこと、そしてその後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれている。実は欧州でもソ連と共産主義の責任を追及する動きが見られるのである。
アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告していただくとともに、この欧米での近現代史見直しの動きを日本はどのように受け止め、活用したらいいのか、国際社会に対する歴史戦をいかに戦ったらいいのか、ともに考えたいと思うため、イベントを開催することにした。
私は、今回のロシアによるウクライナ侵略はこうした背景があるのではないかという疑問を抱いている。
ベルリンの壁が崩壊した1989年以降、少しずつ自由と独立を取り戻した中・東欧諸国は、ソ連と共産党による戦争犯罪を追及する動きを始め、第二次世界大戦勃発80年に当たる2019年9月19日、欧州連合(EU)の一組織である欧州議会が、「欧州の未来に向けた重要な欧州の記憶」と題する決議を可決した。それは、次のような内容である。
「第二次世界大戦は、前例のないレベルの人的苦痛と欧州諸国の占領とを、その後数十年にわたってもたらしたが、今年はその勃発から80周年にあたる。80年前の8月23日、共産主義のソ連とナチス・ドイツがモロトフ・リッベントロップ協定と呼ばれる不可侵条約を締結し、その秘密議定書で、欧州とこれら二つの全体主義体制に挟まれた独立諸国の領土とを分割して、彼らの権益圏内に組み込み、第二次世界大戦勃発への道を開いた」。
いわゆる、ソ連もまた、「侵略国家だ」と指摘しているのだ。そのソ連を「正義」の側に位置付けた「ニュルンベルク裁判」は間違いだとして、事実上、戦勝国史観を修正しているのだ。実際、ソ連は第二次世界大戦中、ヨーロッパ各国を侵略・占領した。決議はこう指摘する。
「ポーランド共和国はまずヒトラーに、また二週間後にはスターリンに侵略されて独立を奪われ、ポーランド国民にとって前例のない悲劇となった。共産主義のソ連は1939年11月30日にフィンランドに対して侵略戦争を開始し、1940年6月にはルーマニアの一部を占領・併合して一切返還せず、独立共和国たるリトアニア、ラトビア、エストニアを併合した」。
ソ連の侵略は戦後も続き、戦時中にソ連に占領されたポーランドやバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)では、知識人の処刑、略奪・暴行などが横行した。
しかも第二次世界大戦後、ソ連に占領された、これらの国々ではソ連の武力を背景に共産党政権が樹立され、ソ連の衛星国にされたが、その責任は追及されてこなかった。よって欧州議会はこう指摘する。
「ナチスの犯罪はニュルンベルク裁判で審査され罰せられたものの、スターリニズムや他の独裁体制の犯罪への認識を高め、教訓的評価を行い、法的調査を行う喫緊の必要性が依然としてある」。
ソ連を「正義」の側と見做した戦勝国史観を見直し、旧ソ連と共産主義体制の責任を追及せよ。こう欧州議会は提案しているのだ。
以上は、評論家の江崎道朗氏の著書『日本人が知らない近現代史の虚妄』によるものだが、それに対し、ロシアのプーチン大統領は、2020年6月、「米政治外交誌「ナショナル・インタレスト」(電子版)に『第二次世界大戦七十五年の本当の教訓』という論文を掲載した。『大戦はナチス・ドイツと旧ソ連が引き起こした』との歴史認識を示した欧州議会を批判し、反論する内容。プーチン氏には、ソ連と後継国ロシアが国家の存立基盤としてきた『ファシズムからの解放者・戦勝国』との立場を守るとともに、領土問題を含む戦後秩序を正当化する意図があるとみられる」との記事。
その論文でプーチン氏は「第一次大戦後、欧州はドイツに莫大な賠償金を背負わせナチスの台頭を招いた」と指摘し、英仏を中心に設立された国際連盟はスペイン内戦や日本の中国進出を防げなかったとも述べている。さらに、英仏伊独による1938年のミュンヘン会談で、各国がナチスに融和姿勢を取ったことが大戦の「引き金」になったとの認識を示しているものである。
また、プーチン氏は「ソ連がドイツと不可侵条約を結んだのは欧州諸国で実質的に最後だった」と主張し、同条約締結は一連の国際情勢の帰結にすぎず、「ソ連を非難するのはアンフェアだ」としている。欧州議会の決議は、ミュンヘン会談に一切触れていないとも批判。その上で1941年に始まった独ソ戦に関し、「ソ連は多大な血を流し、ナチスの敗北に決定的な貢献を果たした」と評価。対日戦に関しても「完全に(連合国間の)ヤルタ合意に従ったものだった」としたほか、「連合国が日本の軍国主義を打倒した」とした。
そして、プーチン氏は最後に、大戦後の世界秩序にも言及し、国連安全保障理事会の常任理事国五カ国の努力により、第三次大戦が防がれてきたとの認識を示した。その上で、五カ国が持つ拒否権を廃止すれば国連は無力化すると警告した」との内容だ。
これらの背景が、複雑に絡まり、ロシアによるウクライナ侵略へと至ったのではないかという疑問である。
また、「慰安婦=性奴隷」説を否定する論文を公刊し、学界内外で批判されていた米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授について思うところがある。
この論文は、慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在で、売春宿と期限付きの契約関係にあったことを理論的実証的に示したもので、一昨年、法と経済学に関する学術誌『インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス』のサイトでネット先行掲載(65巻)され、2021年1月31日付の産経新聞に論文要約が掲載されたところ、韓国発で激しい批判キャンペーンが起こり、米国にも飛び火。リベラル・メディアが教授の批判を繰り広げただけでなく、同じハーバード大の教授をはじめ、米国の日本研究者が歩調を合わせて同誌に論文の撤回を迫る事態となった。
保守の方々はこの慰安婦問題について、歴史上、稀に見る冤罪事件である「慰安婦」問題として認識していることであろう。ラムザイヤー教授は、「この冤罪を晴らした!だが批判者は、論文への反論をせず、その撤回や教授の辞職を要求したのだ。これは言論弾圧であり、まさに現代のナチスだ!『事実が明らかであればあるほど、攻撃が猛烈になる。まさに、これが私に起こったことだと思います』と論じている。
なぜ、こうしてまでも、ラムザイヤー教授は批判されなければならなかったのか。
この問いに対し、麗澤大学准教授のジェーソン・モーガン氏は著書『リベラルに支配されたアメリカの末路―日本人愛国者への警告』の「はじめに」に、次のように記している。
「米国人歴史学者が“裏側”知ったら驚いた!『日本人が知っているアメリカは、 本当のアメリカではない』超大国の絶望と希望、そして未来を新視点で読み解いた一冊。『日本よ、今こそ「脱・ア」せよ!』なぜ元来、良識のあるアメリカ人が、恐ろしい事件を引き起こしたり、わざわざ海外に進出して悲劇的な出来事を引き起こしたりするのだろうか。答えは明白だ。アメリカという国がリベラル派に乗っ取られたからである。アメリカの連邦政府や学会、マスコミ、各種機関には、日本の朝の通勤電車のようにリベラル派がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。偽りのアメリカ人であるリベラル派、グローバル主義者を追い払って、アメリカの良さを再び、取り戻さないといけない時期が来た。日本にもお願いをしたい。リベラル派を馬の上から引きずり落として、本当のアメリカと組もうと。私はそのことを伝えるために、この本を書いた」と。
こういった現状中、左翼に牛耳られた歴史学界からラムザイヤー教授は批判にさらされているのである。
世界は変わりつつあるというのが、江崎道朗氏、ジェイソン・モーガン氏の見解であり、戦後秩序を形成してきた「戦勝国史観」はヴェノナ文書、リッツキドニー文書、米国共産党調書など次々と歴史の真実が明らかにされ、左翼連中も、その火消しに躍起になっているというのが現状であり、近現代史はすでにアップデートされているというものである。そして、それは現在進行形であるにも関わらず、日本国内では産経新聞以外のマスコミでは大々的に取り上げられないため、あまり報道はされず、日本人だけが取り残されているのが現状である。過去の嘘の歴史を信じ続け、アップデートしている近現代史を見ようともしない、または報道されていない現実の中に日本国民がいるということを我々は理解しなくてはいけないのである。
私は、来る「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」講演会&トークライブでファシリテーターをつとめるため、日々更新されている近現代史の様々な疑問をぶつけてみようと思う。
そして、昨今の現状でも分かるように、リベラルたちが仕掛けている保守分断工作に陥っている方々に、早く気づいて欲しいと心から思う。
興味のある方は、以下の内容で執り行うので、ぜひ、お越しいただきたい。
【日 時】 令和4年7月31日(日)
11時30分受付開始・開場、12時30分開会、15時15分閉会予定
<第一部>基調講演 「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」(60分)
<第二部>トークライブ 「ソ連・スターリンの責任を追及する欧米と『米国共産党調書』」(90分)
【登壇者】 江崎道朗氏(評論家)、ジェイソン・モーガン氏(麗澤大学准教授)
【第二部ファシリテーター】 玉川博一(寺子屋「玉川未来塾」代表)
【会 場】 銀座ブロッサム(東京都中央区銀座2-15-6)
東京メトロ有楽町線「新富町駅」1番出口徒歩1分
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」5番出口徒歩6分
【入場料】 2,980円(税込・アーカイブ配信も同料金)※事前振り込み
【定 員】 900名(先着順)※定員に達し次第、締め切り
【後 援】 江崎塾
【申込み方法】 ご来場及びアーカイブ配信ともに下記、いずれかの方法でお申し込みください。
(アーカイブ配信の申し込みは①のみ)
①右記URLの専用申込フォーム⇒ http://d.quel.jp/6446500
②FAX・はがき ⇒ 「歴史認識問題講演会」と明記の上、郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・チケット希望枚数をご記入し、FAX(042-519-7101)に送信または、下記、問い合わせ先住所へ送付
※申し込み後にお送りします「入場予約券」に、入場料の振込方法など記載しておりますので、ご確認の上、事前にお振り込みをお願いいたします。当日は、受付にて入場予約券をご提示ください。
※アーカイブ配信(有料)申込者には、視聴料の振込方法をメールにてご連絡いたします。入金確認及び配信準備が整いましたら、URL等を送信します。
【主催・問い合わせ】 寺子屋「玉川未来塾」
〒196-0022 東京都昭島市中神町1140-28 浜名住宅2F
TEL&FAX 042-519-7101/ E-mail tamagawamiraijuku@gmail.com
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになったこと、そしてその後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれている。実は欧州でもソ連と共産主義の責任を追及する動きが見られるのである。
アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告していただくとともに、この欧米での近現代史見直しの動きを日本はどのように受け止め、活用したらいいのか、国際社会に対する歴史戦をいかに戦ったらいいのか、ともに考えたいと思うため、イベントを開催することにした。
私は、今回のロシアによるウクライナ侵略はこうした背景があるのではないかという疑問を抱いている。
ベルリンの壁が崩壊した1989年以降、少しずつ自由と独立を取り戻した中・東欧諸国は、ソ連と共産党による戦争犯罪を追及する動きを始め、第二次世界大戦勃発80年に当たる2019年9月19日、欧州連合(EU)の一組織である欧州議会が、「欧州の未来に向けた重要な欧州の記憶」と題する決議を可決した。それは、次のような内容である。
「第二次世界大戦は、前例のないレベルの人的苦痛と欧州諸国の占領とを、その後数十年にわたってもたらしたが、今年はその勃発から80周年にあたる。80年前の8月23日、共産主義のソ連とナチス・ドイツがモロトフ・リッベントロップ協定と呼ばれる不可侵条約を締結し、その秘密議定書で、欧州とこれら二つの全体主義体制に挟まれた独立諸国の領土とを分割して、彼らの権益圏内に組み込み、第二次世界大戦勃発への道を開いた」。
いわゆる、ソ連もまた、「侵略国家だ」と指摘しているのだ。そのソ連を「正義」の側に位置付けた「ニュルンベルク裁判」は間違いだとして、事実上、戦勝国史観を修正しているのだ。実際、ソ連は第二次世界大戦中、ヨーロッパ各国を侵略・占領した。決議はこう指摘する。
「ポーランド共和国はまずヒトラーに、また二週間後にはスターリンに侵略されて独立を奪われ、ポーランド国民にとって前例のない悲劇となった。共産主義のソ連は1939年11月30日にフィンランドに対して侵略戦争を開始し、1940年6月にはルーマニアの一部を占領・併合して一切返還せず、独立共和国たるリトアニア、ラトビア、エストニアを併合した」。
ソ連の侵略は戦後も続き、戦時中にソ連に占領されたポーランドやバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)では、知識人の処刑、略奪・暴行などが横行した。
しかも第二次世界大戦後、ソ連に占領された、これらの国々ではソ連の武力を背景に共産党政権が樹立され、ソ連の衛星国にされたが、その責任は追及されてこなかった。よって欧州議会はこう指摘する。
「ナチスの犯罪はニュルンベルク裁判で審査され罰せられたものの、スターリニズムや他の独裁体制の犯罪への認識を高め、教訓的評価を行い、法的調査を行う喫緊の必要性が依然としてある」。
ソ連を「正義」の側と見做した戦勝国史観を見直し、旧ソ連と共産主義体制の責任を追及せよ。こう欧州議会は提案しているのだ。
以上は、評論家の江崎道朗氏の著書『日本人が知らない近現代史の虚妄』によるものだが、それに対し、ロシアのプーチン大統領は、2020年6月、「米政治外交誌「ナショナル・インタレスト」(電子版)に『第二次世界大戦七十五年の本当の教訓』という論文を掲載した。『大戦はナチス・ドイツと旧ソ連が引き起こした』との歴史認識を示した欧州議会を批判し、反論する内容。プーチン氏には、ソ連と後継国ロシアが国家の存立基盤としてきた『ファシズムからの解放者・戦勝国』との立場を守るとともに、領土問題を含む戦後秩序を正当化する意図があるとみられる」との記事。
その論文でプーチン氏は「第一次大戦後、欧州はドイツに莫大な賠償金を背負わせナチスの台頭を招いた」と指摘し、英仏を中心に設立された国際連盟はスペイン内戦や日本の中国進出を防げなかったとも述べている。さらに、英仏伊独による1938年のミュンヘン会談で、各国がナチスに融和姿勢を取ったことが大戦の「引き金」になったとの認識を示しているものである。
また、プーチン氏は「ソ連がドイツと不可侵条約を結んだのは欧州諸国で実質的に最後だった」と主張し、同条約締結は一連の国際情勢の帰結にすぎず、「ソ連を非難するのはアンフェアだ」としている。欧州議会の決議は、ミュンヘン会談に一切触れていないとも批判。その上で1941年に始まった独ソ戦に関し、「ソ連は多大な血を流し、ナチスの敗北に決定的な貢献を果たした」と評価。対日戦に関しても「完全に(連合国間の)ヤルタ合意に従ったものだった」としたほか、「連合国が日本の軍国主義を打倒した」とした。
そして、プーチン氏は最後に、大戦後の世界秩序にも言及し、国連安全保障理事会の常任理事国五カ国の努力により、第三次大戦が防がれてきたとの認識を示した。その上で、五カ国が持つ拒否権を廃止すれば国連は無力化すると警告した」との内容だ。
これらの背景が、複雑に絡まり、ロシアによるウクライナ侵略へと至ったのではないかという疑問である。
また、「慰安婦=性奴隷」説を否定する論文を公刊し、学界内外で批判されていた米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授について思うところがある。
この論文は、慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在で、売春宿と期限付きの契約関係にあったことを理論的実証的に示したもので、一昨年、法と経済学に関する学術誌『インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス』のサイトでネット先行掲載(65巻)され、2021年1月31日付の産経新聞に論文要約が掲載されたところ、韓国発で激しい批判キャンペーンが起こり、米国にも飛び火。リベラル・メディアが教授の批判を繰り広げただけでなく、同じハーバード大の教授をはじめ、米国の日本研究者が歩調を合わせて同誌に論文の撤回を迫る事態となった。
保守の方々はこの慰安婦問題について、歴史上、稀に見る冤罪事件である「慰安婦」問題として認識していることであろう。ラムザイヤー教授は、「この冤罪を晴らした!だが批判者は、論文への反論をせず、その撤回や教授の辞職を要求したのだ。これは言論弾圧であり、まさに現代のナチスだ!『事実が明らかであればあるほど、攻撃が猛烈になる。まさに、これが私に起こったことだと思います』と論じている。
なぜ、こうしてまでも、ラムザイヤー教授は批判されなければならなかったのか。
この問いに対し、麗澤大学准教授のジェーソン・モーガン氏は著書『リベラルに支配されたアメリカの末路―日本人愛国者への警告』の「はじめに」に、次のように記している。
「米国人歴史学者が“裏側”知ったら驚いた!『日本人が知っているアメリカは、 本当のアメリカではない』超大国の絶望と希望、そして未来を新視点で読み解いた一冊。『日本よ、今こそ「脱・ア」せよ!』なぜ元来、良識のあるアメリカ人が、恐ろしい事件を引き起こしたり、わざわざ海外に進出して悲劇的な出来事を引き起こしたりするのだろうか。答えは明白だ。アメリカという国がリベラル派に乗っ取られたからである。アメリカの連邦政府や学会、マスコミ、各種機関には、日本の朝の通勤電車のようにリベラル派がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。偽りのアメリカ人であるリベラル派、グローバル主義者を追い払って、アメリカの良さを再び、取り戻さないといけない時期が来た。日本にもお願いをしたい。リベラル派を馬の上から引きずり落として、本当のアメリカと組もうと。私はそのことを伝えるために、この本を書いた」と。
こういった現状中、左翼に牛耳られた歴史学界からラムザイヤー教授は批判にさらされているのである。
世界は変わりつつあるというのが、江崎道朗氏、ジェイソン・モーガン氏の見解であり、戦後秩序を形成してきた「戦勝国史観」はヴェノナ文書、リッツキドニー文書、米国共産党調書など次々と歴史の真実が明らかにされ、左翼連中も、その火消しに躍起になっているというのが現状であり、近現代史はすでにアップデートされているというものである。そして、それは現在進行形であるにも関わらず、日本国内では産経新聞以外のマスコミでは大々的に取り上げられないため、あまり報道はされず、日本人だけが取り残されているのが現状である。過去の嘘の歴史を信じ続け、アップデートしている近現代史を見ようともしない、または報道されていない現実の中に日本国民がいるということを我々は理解しなくてはいけないのである。
私は、来る「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」講演会&トークライブでファシリテーターをつとめるため、日々更新されている近現代史の様々な疑問をぶつけてみようと思う。
そして、昨今の現状でも分かるように、リベラルたちが仕掛けている保守分断工作に陥っている方々に、早く気づいて欲しいと心から思う。
興味のある方は、以下の内容で執り行うので、ぜひ、お越しいただきたい。
【日 時】 令和4年7月31日(日)
11時30分受付開始・開場、12時30分開会、15時15分閉会予定
<第一部>基調講演 「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」(60分)
<第二部>トークライブ 「ソ連・スターリンの責任を追及する欧米と『米国共産党調書』」(90分)
【登壇者】 江崎道朗氏(評論家)、ジェイソン・モーガン氏(麗澤大学准教授)
【第二部ファシリテーター】 玉川博一(寺子屋「玉川未来塾」代表)
【会 場】 銀座ブロッサム(東京都中央区銀座2-15-6)
東京メトロ有楽町線「新富町駅」1番出口徒歩1分
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」5番出口徒歩6分
【入場料】 2,980円(税込・アーカイブ配信も同料金)※事前振り込み
【定 員】 900名(先着順)※定員に達し次第、締め切り
【後 援】 江崎塾
【申込み方法】 ご来場及びアーカイブ配信ともに下記、いずれかの方法でお申し込みください。
(アーカイブ配信の申し込みは①のみ)
①右記URLの専用申込フォーム⇒ http://d.quel.jp/6446500
②FAX・はがき ⇒ 「歴史認識問題講演会」と明記の上、郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・チケット希望枚数をご記入し、FAX(042-519-7101)に送信または、下記、問い合わせ先住所へ送付
※申し込み後にお送りします「入場予約券」に、入場料の振込方法など記載しておりますので、ご確認の上、事前にお振り込みをお願いいたします。当日は、受付にて入場予約券をご提示ください。
※アーカイブ配信(有料)申込者には、視聴料の振込方法をメールにてご連絡いたします。入金確認及び配信準備が整いましたら、URL等を送信します。
【主催・問い合わせ】 寺子屋「玉川未来塾」
〒196-0022 東京都昭島市中神町1140-28 浜名住宅2F
TEL&FAX 042-519-7101/ E-mail tamagawamiraijuku@gmail.com
「沖縄戦」と「沖縄県祖国復帰50年」
2022.06.13
昭和47(1972)年5月15日は「沖縄県祖国復帰の日」である。そして、今年はその50年を祈念する節目の年であり、沖縄を護るために命を賭して戦った先人の生き様、特攻作戦の実態や背景を振り替えるため、私は5月14日から15日まで沖縄県へ。ジャーナリストの三荻祥さんと一緒に南部戦跡を巡った。波上宮~沖縄県護国神社~旧海軍司令部壕跡~白梅の塔~沖縄師範健児の塔~東京の塔~魂魄の塔~国立沖縄戦歿者墓苑~平和祈念公園~島守の塔~黎明の塔などの摩文仁の丘へ・・・戦跡巡拝。16日から17日まで、沖縄を救うべく特攻作戦の基地があった鹿児島県の知覧、万世、鹿屋を訪れ、各特攻平和会館をはじめ、知覧のホタル館では鳥濱トメさんの曾孫・鳥濱拳大さんからお話を伺った。そして、拳大さんにご案内いただき、戦跡巡拝。三角兵舎跡や最後の杯を交わした戦闘指揮所跡、戦闘機を隠した掩体壕、そして、滑走路跡や沖縄へと向かう戦闘機の開聞岳へ向かう航路など、お話を聞くにつれ、どれも心に迫るものばかり。今日の平和な日本があるのは、先の大戦で戦ってくれた先人のお陰様。沖縄を護るため、命を賭して戦ってくれた先人に感謝の誠を捧げて参りました。
沖縄戦では、沖縄の慶良間諸島に米軍が上陸した昭和20年3月26日から、日本軍司令官牛島満中将らが自決した、沖縄本島での組織的戦闘が終結する6月23日まで、日本軍将兵と県民約18万8千人が亡くなった。
圧倒的兵力の米軍に、沖縄守備の日本軍は激しく抵抗し、神風特攻隊、陸軍特攻隊、人間魚雷回天、戦艦大和の特攻作戦、首里を巡る攻防と多大な住民の犠牲、学童疎開対馬丸の遭難、そして、県内の鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊など男女の中等学校生らも動員され、多くの若い命が散った。沖縄戦のこの語りきれない犠牲こそが、日本の存亡の危機から救ったという事実を心して記憶し続けていかなければならない。
特攻作戦が開始されたのは、昭和19年10月。沖縄での陸軍による航空特攻作戦は、米軍主力が沖縄南西にある慶良間列島に上陸した昭和20年3月26日から始った。
特攻作戦とは、「特別攻撃作戦」の意味で、他の戦闘と根本的に違う点が「必ず死ぬこと」が定められた作戦であるということだ。重さ250kgの爆弾を装着した戦闘機で敵の艦船に体当たりして沈めるという『必死』条件の作戦であった。
特攻作戦は、鹿児島県の知覧基地を始め、万世、鹿屋、または、宮崎県の都城など九州の各地、そして当時日本が統治していた台湾など多くの基地から出撃している。
特攻隊戦没者慰霊顕彰会によると、特攻作戦での戦死者は海軍2,531名、陸軍1,417名、計3,948名にものぼり、その中でも、知覧基地が本土最南端だったということもあり、439名と最も多く特攻作戦で戦死している。
1945年6月、沖縄の地下に掘られた洞穴で自決した、海軍司令官の大田實海軍中将の自決直前に海軍次官にあてた電文の全文を読んだ方はどれくらいいらっしゃるであろうか。
沖縄戦の惨状と沖縄県民の献身をつづり、「後世特別の配慮を」と訴えている。その全文を記したい。
大田實司令官が出した電文
(旧海軍司令部壕ホームページより)
《原文》
062016番電
発 沖縄根拠地隊司令官
宛 海軍次官
左ノ電■■次官ニ御通報方取計ヲ得度
沖縄県民ノ実情ニ関シテハ県知事ヨリ報告セラルベキモ 県ニハ既ニ通信力ナク 三二軍司令部又通信ノ余力ナシト認メラルルニ付 本職県知事ノ依頼ヲ受ケタルニ非ザレドモ 現状ヲ看過スルニ忍ビズ 之ニ代ツテ緊急御通知申上グ
沖縄島ニ敵攻略ヲ開始以来 陸海軍方面 防衛戦闘ニ専念シ 県民ニ関シテハ 殆ド 顧ミルニ 暇ナカリキ
然レドモ本職ノ知レル範囲ニ於テハ 県民ハ青壮年ノ全部ヲ防衛召集ニ捧ゲ 残ル老幼婦女子ノミガ相次グ砲爆撃ニ家屋ト家財ノ全部ヲ焼却セラレ 僅ニ身ヲ以テ軍ノ作戦ニ差支ナキ場所ノ小防空壕ニ避難 尚砲爆撃下■■■風雨ニ曝サレツツ 乏シキ生活ニ甘ンジアリタリ
而モ若キ婦人ハ率先軍ニ身ヲ捧ゲ 看護婦烹炊婦ハモトヨリ 砲弾運ビ 挺身斬込隊スラ申出ルモノアリ
所詮 敵来リナバ老人子供ハ殺サレルベク 婦女子ハ後方ニ運ビ去ラレテ毒牙ニ供セラルベシトテ 親子生別レ 娘ヲ軍衛門ニ捨ツル親アリ
看護婦ニ至リテハ軍移動ニ際シ 衛生兵既ニ出発シ身寄リ無キ重傷者ヲ助ケテ■■ 真面目ニテ一時ノ感情ニ駆ラレタルモノトハ思ハレズ
更ニ軍ニ於テ作戦ノ大転換アルヤ 自給自足 夜ノ中ニ遥ニ遠隔地方ノ住居地区ヲ指定セラレ輸送力皆無ノ者 黙々トシテ雨中ヲ移動スルアリ 之ヲ要スルニ陸海軍沖縄ニ進駐以来 終止一貫
勤労奉仕 物資節約ヲ強要セラレツツ(一部ハ■■ノ悪評ナキニシモアラザルモ)只管日本人トシテノ御奉公ノ護ヲ胸ニ抱キツツ 遂ニ■■■■与ヘ■コトナクシテ 本戦闘ノ末期ト沖縄島ハ実情形■■■■■■
一木一草焦土ト化セン 糧食六月一杯ヲ支フルノミナリト謂フ 沖縄県民斯ク戦ヘリ
県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ 賜ランコトヲ
(■は判読できず)
この大田中将の電文に戦後、最も早く心を動かされた政治家がいた。苦学して師範学校の教諭となるも教鞭を銃に持ち替え戦地へ。多くの友人知人を失い、失意のうちに帰国。しかし、亡くなった者たちのために故国日本を復興させようとの一念で政治家となった、鹿児島三区選出の故山中貞則衆議院議員。
佐藤栄作大蔵大臣(当時)の政策秘書を務めた山中氏は、佐藤氏が昭和39年11月に首相に就任すると、沖縄への訪問を直談判。そして、現職首相の初の沖縄訪問は昭和40年8月19日についに実現した。その際、佐藤首相(当時)は「沖縄の祖国復帰は実現しない限り、日本の戦後は終わらない」という歴史に残る名言をもって演説をしたのだ。
その後、昭和46年6月に「沖縄返還協定」は調印されるが、11月に批准に向けて沖縄だけでなく東京でも祖国復帰反対の工作活動が動き出す。しかし、沖縄返還協定は11月24日に衆議院本会議で強行採決により、批准され、そして、佐藤首相沖縄訪問から7年後の昭和47年5月15日に沖縄県の祖国復帰の悲願が果たされるのである。
こうした背景の中、祖国復帰がなされ、今日に至っている。そして、先人の尊い犠牲の上に今日の平和があることを、忘れてはならない。
世界に目を向けると、東欧ではロシアがウクライナに武力侵略を開始してから早くも4か月にもなろうとしているが、そこから見えてくるものはプロパガンダによる情報工作が、国の内外の勢力から巧妙に仕掛けられているということ。
そして、日本を取り巻く環境に目を向けると、中国は台湾及び沖縄の尖閣諸島を「中国国有の領土」と公言して憚らず、侵略の意図を剝き出しにしている。
また、北朝鮮は挑発的なミサイル発射を繰り返し、核実験の可能性も示唆されている。
自由民主党政務調査会安全保障調査会では「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言~より深刻化する国際情勢下におけるわが国及び国際社会の平和と安全を確保するための防衛力の抜本的強化の実現に向けて~」を発表した。そこには「かつてない厳しい安全保障環境に立ち向かうためには、わが国自身の防衛力の抜本的強化や価値観を共有する国々との協力などを通じて、必要な抑止力及び対処力を強化する必要があります。安全保障調査会では、昨年12月以来、計19回にわたって議論を行い、今般、提言を取りまとめました。本提言が、新たに策定される国家安全保障戦略等に着実に反映されるよう、政府に求めてまいります」としている。
また、「防衛省が新たに陸海空自衛隊の部隊運用を一元的に指揮する統合司令官と、これを支える統合司令部を創設する方針を固め、組織形態や設置場所などの本格的な検討に入ったことが、政府関係者への取材で分かった」と報道された。「中国の海洋進出が強まり台湾有事が懸念される情勢や、宇宙・サイバー・電磁波の安全保障の新領域への対応を念頭に、部隊運用に専念するポストを新設して機動力を高める必要性があると判断した」とある。
こうして、安全保障環境が前に進んでいく事、しかも歴史的にも仲が悪い陸海空を統括する「統合司令官と、これを支える統合司令部を創設する方針を固め」たことは意義深いことである。
そして、誰が「統合司令官」になるかも、とても重要である。
「自分さえ良ければすべてよし」のロシア、「海洋進出を続け、尖閣を我がものにしようとたくらんでいる」中国、そして、「ミサイルをひたすら打ち続け、核をも辞さないと脅している」北朝鮮など、我が国の周辺国は、何をするかわからない不貞な国々が集まっている。我が国を取り巻く安全保障環境に対し、日本の安全保障環境の整備は待ったなしである中、「自国を護る気概」を先人から学び、一日も早い安全保障整備の実現化を図るべく、政権与党の動向に注視していきたい。それには参議院選挙はとても重要な選挙であるということは言うまでもない。そして、日本の安全保障問題に対し、明確な指針を打ち出している政党はどこなのか。私の焦点はそこにある。
沖縄戦では、沖縄の慶良間諸島に米軍が上陸した昭和20年3月26日から、日本軍司令官牛島満中将らが自決した、沖縄本島での組織的戦闘が終結する6月23日まで、日本軍将兵と県民約18万8千人が亡くなった。
圧倒的兵力の米軍に、沖縄守備の日本軍は激しく抵抗し、神風特攻隊、陸軍特攻隊、人間魚雷回天、戦艦大和の特攻作戦、首里を巡る攻防と多大な住民の犠牲、学童疎開対馬丸の遭難、そして、県内の鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊など男女の中等学校生らも動員され、多くの若い命が散った。沖縄戦のこの語りきれない犠牲こそが、日本の存亡の危機から救ったという事実を心して記憶し続けていかなければならない。
特攻作戦が開始されたのは、昭和19年10月。沖縄での陸軍による航空特攻作戦は、米軍主力が沖縄南西にある慶良間列島に上陸した昭和20年3月26日から始った。
特攻作戦とは、「特別攻撃作戦」の意味で、他の戦闘と根本的に違う点が「必ず死ぬこと」が定められた作戦であるということだ。重さ250kgの爆弾を装着した戦闘機で敵の艦船に体当たりして沈めるという『必死』条件の作戦であった。
特攻作戦は、鹿児島県の知覧基地を始め、万世、鹿屋、または、宮崎県の都城など九州の各地、そして当時日本が統治していた台湾など多くの基地から出撃している。
特攻隊戦没者慰霊顕彰会によると、特攻作戦での戦死者は海軍2,531名、陸軍1,417名、計3,948名にものぼり、その中でも、知覧基地が本土最南端だったということもあり、439名と最も多く特攻作戦で戦死している。
1945年6月、沖縄の地下に掘られた洞穴で自決した、海軍司令官の大田實海軍中将の自決直前に海軍次官にあてた電文の全文を読んだ方はどれくらいいらっしゃるであろうか。
沖縄戦の惨状と沖縄県民の献身をつづり、「後世特別の配慮を」と訴えている。その全文を記したい。
大田實司令官が出した電文
(旧海軍司令部壕ホームページより)
《原文》
062016番電
発 沖縄根拠地隊司令官
宛 海軍次官
左ノ電■■次官ニ御通報方取計ヲ得度
沖縄県民ノ実情ニ関シテハ県知事ヨリ報告セラルベキモ 県ニハ既ニ通信力ナク 三二軍司令部又通信ノ余力ナシト認メラルルニ付 本職県知事ノ依頼ヲ受ケタルニ非ザレドモ 現状ヲ看過スルニ忍ビズ 之ニ代ツテ緊急御通知申上グ
沖縄島ニ敵攻略ヲ開始以来 陸海軍方面 防衛戦闘ニ専念シ 県民ニ関シテハ 殆ド 顧ミルニ 暇ナカリキ
然レドモ本職ノ知レル範囲ニ於テハ 県民ハ青壮年ノ全部ヲ防衛召集ニ捧ゲ 残ル老幼婦女子ノミガ相次グ砲爆撃ニ家屋ト家財ノ全部ヲ焼却セラレ 僅ニ身ヲ以テ軍ノ作戦ニ差支ナキ場所ノ小防空壕ニ避難 尚砲爆撃下■■■風雨ニ曝サレツツ 乏シキ生活ニ甘ンジアリタリ
而モ若キ婦人ハ率先軍ニ身ヲ捧ゲ 看護婦烹炊婦ハモトヨリ 砲弾運ビ 挺身斬込隊スラ申出ルモノアリ
所詮 敵来リナバ老人子供ハ殺サレルベク 婦女子ハ後方ニ運ビ去ラレテ毒牙ニ供セラルベシトテ 親子生別レ 娘ヲ軍衛門ニ捨ツル親アリ
看護婦ニ至リテハ軍移動ニ際シ 衛生兵既ニ出発シ身寄リ無キ重傷者ヲ助ケテ■■ 真面目ニテ一時ノ感情ニ駆ラレタルモノトハ思ハレズ
更ニ軍ニ於テ作戦ノ大転換アルヤ 自給自足 夜ノ中ニ遥ニ遠隔地方ノ住居地区ヲ指定セラレ輸送力皆無ノ者 黙々トシテ雨中ヲ移動スルアリ 之ヲ要スルニ陸海軍沖縄ニ進駐以来 終止一貫
勤労奉仕 物資節約ヲ強要セラレツツ(一部ハ■■ノ悪評ナキニシモアラザルモ)只管日本人トシテノ御奉公ノ護ヲ胸ニ抱キツツ 遂ニ■■■■与ヘ■コトナクシテ 本戦闘ノ末期ト沖縄島ハ実情形■■■■■■
一木一草焦土ト化セン 糧食六月一杯ヲ支フルノミナリト謂フ 沖縄県民斯ク戦ヘリ
県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ 賜ランコトヲ
(■は判読できず)
この大田中将の電文に戦後、最も早く心を動かされた政治家がいた。苦学して師範学校の教諭となるも教鞭を銃に持ち替え戦地へ。多くの友人知人を失い、失意のうちに帰国。しかし、亡くなった者たちのために故国日本を復興させようとの一念で政治家となった、鹿児島三区選出の故山中貞則衆議院議員。
佐藤栄作大蔵大臣(当時)の政策秘書を務めた山中氏は、佐藤氏が昭和39年11月に首相に就任すると、沖縄への訪問を直談判。そして、現職首相の初の沖縄訪問は昭和40年8月19日についに実現した。その際、佐藤首相(当時)は「沖縄の祖国復帰は実現しない限り、日本の戦後は終わらない」という歴史に残る名言をもって演説をしたのだ。
その後、昭和46年6月に「沖縄返還協定」は調印されるが、11月に批准に向けて沖縄だけでなく東京でも祖国復帰反対の工作活動が動き出す。しかし、沖縄返還協定は11月24日に衆議院本会議で強行採決により、批准され、そして、佐藤首相沖縄訪問から7年後の昭和47年5月15日に沖縄県の祖国復帰の悲願が果たされるのである。
こうした背景の中、祖国復帰がなされ、今日に至っている。そして、先人の尊い犠牲の上に今日の平和があることを、忘れてはならない。
世界に目を向けると、東欧ではロシアがウクライナに武力侵略を開始してから早くも4か月にもなろうとしているが、そこから見えてくるものはプロパガンダによる情報工作が、国の内外の勢力から巧妙に仕掛けられているということ。
そして、日本を取り巻く環境に目を向けると、中国は台湾及び沖縄の尖閣諸島を「中国国有の領土」と公言して憚らず、侵略の意図を剝き出しにしている。
また、北朝鮮は挑発的なミサイル発射を繰り返し、核実験の可能性も示唆されている。
自由民主党政務調査会安全保障調査会では「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言~より深刻化する国際情勢下におけるわが国及び国際社会の平和と安全を確保するための防衛力の抜本的強化の実現に向けて~」を発表した。そこには「かつてない厳しい安全保障環境に立ち向かうためには、わが国自身の防衛力の抜本的強化や価値観を共有する国々との協力などを通じて、必要な抑止力及び対処力を強化する必要があります。安全保障調査会では、昨年12月以来、計19回にわたって議論を行い、今般、提言を取りまとめました。本提言が、新たに策定される国家安全保障戦略等に着実に反映されるよう、政府に求めてまいります」としている。
また、「防衛省が新たに陸海空自衛隊の部隊運用を一元的に指揮する統合司令官と、これを支える統合司令部を創設する方針を固め、組織形態や設置場所などの本格的な検討に入ったことが、政府関係者への取材で分かった」と報道された。「中国の海洋進出が強まり台湾有事が懸念される情勢や、宇宙・サイバー・電磁波の安全保障の新領域への対応を念頭に、部隊運用に専念するポストを新設して機動力を高める必要性があると判断した」とある。
こうして、安全保障環境が前に進んでいく事、しかも歴史的にも仲が悪い陸海空を統括する「統合司令官と、これを支える統合司令部を創設する方針を固め」たことは意義深いことである。
そして、誰が「統合司令官」になるかも、とても重要である。
「自分さえ良ければすべてよし」のロシア、「海洋進出を続け、尖閣を我がものにしようとたくらんでいる」中国、そして、「ミサイルをひたすら打ち続け、核をも辞さないと脅している」北朝鮮など、我が国の周辺国は、何をするかわからない不貞な国々が集まっている。我が国を取り巻く安全保障環境に対し、日本の安全保障環境の整備は待ったなしである中、「自国を護る気概」を先人から学び、一日も早い安全保障整備の実現化を図るべく、政権与党の動向に注視していきたい。それには参議院選挙はとても重要な選挙であるということは言うまでもない。そして、日本の安全保障問題に対し、明確な指針を打ち出している政党はどこなのか。私の焦点はそこにある。
敵の分断工作に嵌ってはいけない
2022.04.30
ロシアによるウクライナ侵略をめぐる情報戦に、我々は日々翻弄されているが、何が正しくて何が間違っているのか、一見分からない報道や情報がある。
その中で「挑発したのはウクライナ」とか「ロシアにも正義がある」などと論じる保守系の識者も少なくない。また、「ウクライナだって悪いことをしているではないか」と言う者もいる。しかし、この視点は果たして正しいのか。私は疑問である。多様化された情報ソースに振り回されるのではなく、ことの本質は何であるのかを見極めなければならないと考える。
評論家の江崎道朗氏は月刊正論6月号(4月30日発売)で次のような指摘をしている。
「アンヌ・モレリというベルギーの歴史学者が『戦争プロパガンダ10の法則』(草思社文庫)という本の中で、戦争プロパガンダには以下のような法則があると指摘している。
①我々は戦争をしたくない。
②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
③敵の指導者は悪魔のような人間だ。
④われわれは領土や覇権のためでなく、偉大な使命のために戦う。
⑤われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる。
⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
⑦われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は絶大。
⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
⑨われわれの大義は神聖なものである。
⑩この正義に疑問を投げかけるものは裏切りものである。
要は「戦争にプロパガンダはつきものだということだ」として、プーチンに対し「侵略を
始めたプーチン大統領の言い分もまさにこの法則通りだ」としている。そして、「この議論を正当化すべくロシア政府は虐殺の映像まで作成」していたとし、「このことを暴いたのが米軍情報機関だ」という。
米CNNは「ロシアのプーチン大統領は今回のウクライナ侵攻を『ネオナチ』の手からロシア語話者を守る『特別作戦』と位置づけた」としているが、この内容は、江崎氏の指摘に合致している。「プーチンは悪くない!ウクライナ政府とDS(ディープステート=世界を操る影の政府)腐ってる」や「ロシアはウクライナで米国のディープステートが資金提供した生物学研究所を爆撃しました。既存のマスメディアが言っていることを信じないでください!」といった内容もSNS上に見受けられるが、これも同様であり、真実であるかどうかは疑問である。
我々が今回のウクライナ情勢で見逃してはいけない部分は、「どの国が侵略され、どの国の『国民の命』が奪われているのか」という「事実」に着目し、「独立国が、力による現状変更によって、主権が奪われることは絶対に許されるべきものではない」ということである。そして、これは、日本も他人事ではなく、肝に銘じておかなければならない。中国の脅威が迫っているからである。
「ロシアが勝った後のヨーロッパは一体どうなるのか。それを見ている中国はアジアで何をするのか」を客観的に見ていかなくてはいけない。
「ロシアが勝った後のヨーロッパは一体どうなるのか」。戦後築き上げてきた世界秩序は崩れるであろう。
「それを見ている中国はアジアで何をするのか」。台湾、尖閣諸島へと間違いなく侵略してくるであろう。
だから、このロシアによるウクライナ侵略は絶対に許してはならないし、ロシアを勝たせてはならないのである。
先日、ウクライナ政府が昭和天皇を、ナチス・ドイツの独裁者ヒトラー、イタリアのファシズム指導者ムソリーニと同列に扱った動画をツイッターに投稿し、日本政府の抗議を受けて問題の部分を削除していたことが分かったという報道があった。そして、ウクライナ政府は外交ルートを通じて謝罪の意を表明し、ツイッターにも「誤りを真摯におわびする。親切な日本の人々の気分を害する意図はなかった」と記した。
当然、昭和天皇をヒトラー、ムソリーニと同列に扱うのは甚だ遺憾であるのと同時に、侮辱的なことであるが、しかし、条件反射で「けしからん!」と言うだけでなく、少し冷静にみる必要がある。と言うのも、日本はイタリアのファシズムやナチス・ドイツと日独伊三国同盟を結んだのは歴史的には事実であり、日本の保守派で「ナチス・ドイツと組むべきではなかった」と明確に言っている人は多くないからである。
欧米の情報を鵜呑みにするのも危険ではないかとの指摘もある。しかし、「全体主義国家」であるロシアと「自由主義陣営」である欧米とを同列視するのも、いかがなものかとも思う。
我々は日本の国益を守るために、今回のロシアによるウクライナ侵略によって、何を学び、何を考え、そしてどのように行動すべきなのか。敵の分断工作に嵌るのではなく、客観的な視点で、冷静に、物事を分析するべきだとつくづく感じる次第である。
その中で「挑発したのはウクライナ」とか「ロシアにも正義がある」などと論じる保守系の識者も少なくない。また、「ウクライナだって悪いことをしているではないか」と言う者もいる。しかし、この視点は果たして正しいのか。私は疑問である。多様化された情報ソースに振り回されるのではなく、ことの本質は何であるのかを見極めなければならないと考える。
評論家の江崎道朗氏は月刊正論6月号(4月30日発売)で次のような指摘をしている。
「アンヌ・モレリというベルギーの歴史学者が『戦争プロパガンダ10の法則』(草思社文庫)という本の中で、戦争プロパガンダには以下のような法則があると指摘している。
①我々は戦争をしたくない。
②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
③敵の指導者は悪魔のような人間だ。
④われわれは領土や覇権のためでなく、偉大な使命のために戦う。
⑤われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる。
⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
⑦われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は絶大。
⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
⑨われわれの大義は神聖なものである。
⑩この正義に疑問を投げかけるものは裏切りものである。
要は「戦争にプロパガンダはつきものだということだ」として、プーチンに対し「侵略を
始めたプーチン大統領の言い分もまさにこの法則通りだ」としている。そして、「この議論を正当化すべくロシア政府は虐殺の映像まで作成」していたとし、「このことを暴いたのが米軍情報機関だ」という。
米CNNは「ロシアのプーチン大統領は今回のウクライナ侵攻を『ネオナチ』の手からロシア語話者を守る『特別作戦』と位置づけた」としているが、この内容は、江崎氏の指摘に合致している。「プーチンは悪くない!ウクライナ政府とDS(ディープステート=世界を操る影の政府)腐ってる」や「ロシアはウクライナで米国のディープステートが資金提供した生物学研究所を爆撃しました。既存のマスメディアが言っていることを信じないでください!」といった内容もSNS上に見受けられるが、これも同様であり、真実であるかどうかは疑問である。
我々が今回のウクライナ情勢で見逃してはいけない部分は、「どの国が侵略され、どの国の『国民の命』が奪われているのか」という「事実」に着目し、「独立国が、力による現状変更によって、主権が奪われることは絶対に許されるべきものではない」ということである。そして、これは、日本も他人事ではなく、肝に銘じておかなければならない。中国の脅威が迫っているからである。
「ロシアが勝った後のヨーロッパは一体どうなるのか。それを見ている中国はアジアで何をするのか」を客観的に見ていかなくてはいけない。
「ロシアが勝った後のヨーロッパは一体どうなるのか」。戦後築き上げてきた世界秩序は崩れるであろう。
「それを見ている中国はアジアで何をするのか」。台湾、尖閣諸島へと間違いなく侵略してくるであろう。
だから、このロシアによるウクライナ侵略は絶対に許してはならないし、ロシアを勝たせてはならないのである。
先日、ウクライナ政府が昭和天皇を、ナチス・ドイツの独裁者ヒトラー、イタリアのファシズム指導者ムソリーニと同列に扱った動画をツイッターに投稿し、日本政府の抗議を受けて問題の部分を削除していたことが分かったという報道があった。そして、ウクライナ政府は外交ルートを通じて謝罪の意を表明し、ツイッターにも「誤りを真摯におわびする。親切な日本の人々の気分を害する意図はなかった」と記した。
当然、昭和天皇をヒトラー、ムソリーニと同列に扱うのは甚だ遺憾であるのと同時に、侮辱的なことであるが、しかし、条件反射で「けしからん!」と言うだけでなく、少し冷静にみる必要がある。と言うのも、日本はイタリアのファシズムやナチス・ドイツと日独伊三国同盟を結んだのは歴史的には事実であり、日本の保守派で「ナチス・ドイツと組むべきではなかった」と明確に言っている人は多くないからである。
欧米の情報を鵜呑みにするのも危険ではないかとの指摘もある。しかし、「全体主義国家」であるロシアと「自由主義陣営」である欧米とを同列視するのも、いかがなものかとも思う。
我々は日本の国益を守るために、今回のロシアによるウクライナ侵略によって、何を学び、何を考え、そしてどのように行動すべきなのか。敵の分断工作に嵌るのではなく、客観的な視点で、冷静に、物事を分析するべきだとつくづく感じる次第である。