終戦80年に向けて②~残された者の役割
2024.05.22
来年、終戦80年を迎えるにあたり、以前にも記したが、改めて再掲するとともに、加筆し、そして、自分の思いを綴ってみたい。

昭和から平成、令和と時代が移り変わり、戦争体験者が急速に減っている中、大東亜戦争が「記憶」から「歴史」へと変わっていく昨今において、「あの戦争が残したものとは何だったのか」、そして、「先人が死を賭して遺したもの、命と引き換えに伝えたものは何なのか」を改めて考える必要があるのではないか、と考えており、そのため、今日の日本の礎を築いた英霊に感謝の誠を捧げるとともに、先人の声を、思いを、次代へとつないでいくためのイベントを、毎年開催している。

終戦を迎えて今年で79年。そして、来年は80年という節目の年を迎える。
靖国神社には幕末の戊辰戦争以降、国のために戦死した246万余人の御霊がまつられているが、そのうち213万人が大東亜戦争で亡くなられた。その中でも、特攻作戦に従事した特攻戦死者は、「特攻隊戦没者慰霊顕彰会」によると、海軍2,531名、陸軍1,417名、計3,948名。そして、鹿児島県の知覧基地を始め、九州各地、また、当時日本が統治していた台湾など、多くの基地から出撃しましたが、本土最南端に基地があった知覧基地は、特攻作戦で439名と最も多く戦死している。

祖国を護るために昭和19年10月に特攻作戦が開始され、沖縄での陸軍による航空特攻作戦は、米軍主力が沖縄南西にある慶良間(けらま)列島に上陸した昭和20年3月26日から始まり、そして、特攻作戦が開始されて、今年で80年を迎える。
特攻作戦とは、「特別攻撃作戦」の意味で、他の戦闘と根本的に違う点が「必ず死ぬこと」が定められた作戦であるということで、重さ250kgの爆弾を装着した戦闘機で敵の艦船に体当たりして沈めるという『必死』条件の作戦であった。

その知覧で「富屋食堂」を営み、その出撃前のわずかな日々を富屋食堂で過ごした10代から20代の若い特攻隊員達をわが子のように慈しみ、「特攻の母」と呼ばれ、そして、私財を投げ打ってまでも親身に接したのが「鳥濱トメ」さんであった。

故石原慎太郎氏はかつて「生きた菩薩という言葉があるが、そんな人を私はこの世で一人だけ知っている」という書き出しで、鳥濱トメさんを紹介している。
鳥濱トメさんは明治35年、鹿児島県川辺郡坊津町で生まれ、鉄道員の旦那様と結婚したあと、昭和4年、同じ郡の知覧町で「富屋食堂」を開きます。大東亜戦争の末期、知覧飛行場は陸軍特攻隊の出撃基地となり、この食堂を利用する特攻隊員たちはトメさんを母親のように慕う。
「蛍になって帰ってきます」と言って出撃をした宮川三郎少尉、「明日死にますから故郷の歌をうたわして下さい」と言って、「アリラン」を歌った朝鮮出身の光山文博少尉、他、特攻隊員たちとのエピソードは数知れず。
その特攻隊員たちを我が子のように迎え、時には家財を売ってまでも食べたいものを食べさせたり、軍には内緒で隊員から私信を預かったり、隊員の最後の様子を家族にしたためたりした鳥濱トメさん。
特攻隊員たちが命を賭してまでも守りたかったものは何だったのか。将来の我々に何を託したのか。私心が渦巻くこんな世の中だからこそ、公のために身を尽くした英霊の思いを噛み締めたいと思うのだ。

靖國神社の昨年の社報9月号は、一緒にお仕事をさせていただいた桑原聡元雑誌「正論」編集長のエッセイが寄稿されている。
東条英機と共に絞首刑に処された土肥原賢二を祖父に持つ歌人、佐伯裕子さんが紹介され、
その中でも、以下の文章に心が留まった。
佐伯さんが詠んだ歌の中の一首。
「一度だけ叫んでみたし『死に人をさらして殺して何の誉れか』」
平成18年8月15日に小泉純一郎首相が靖國神社を公式参拝し、内外から声高に議論が沸き起こった。そして、平成19年、『みずうみ』と題した歌集を上梓し、その中の一首である。さらに、文章は次のように進む。
「伝統や文化が魂にしみこんだ存在、すなわち人間が、宗教施設に祀られた死者を悼み、感謝しようとするとき、その行為を静かに見守るのは、どんな国においても、人として最低の義務であろう。自分の価値観にそぐわないと、その行為を声高に非難する者、それに対して、『収まりのよい物語』に付和雷同して大声で反論する者は、ただの動物ではないか。非難する者にも反論する者にも、靖國の政治利用という薄汚い思惑が感じてならないのだ。そんな議論が、遺族を深く悲しませ、傷つけていることに、彼らは思いが及ばない。
佐伯さんの一首は、遺族の痛切な叫びであり、それでなく、魂が壊れゆく現代人に対する警鐘として心に突き刺さる。魂を持つ人間であるならば、参拝は静かに行い、静かに見守りたい」。
深く賛同する内容である。

大東亜戦争の真実と事実。それを探るべく、近現代史のバイブルとして国民に長きにわたり読まれている『大東亜戦争への道』(中村粲著・展転社)、著者は終章の「改めて大東亜戦争を思ふ」の中で、以下のように記している。
「結果論的に敗れた戦争を裁断するのではなく、戦争に至った明治以来の歴史の流れを、当時の人々の我が心として振返る時、あの戦争を『愚かな戦争』と傍観者的に冷笑することはできない。それは、歴史を担った誠実なる人々に対する冒涜のやうに思はれるのだ。『破滅への道』を願った日本人は一人も居なかった筈だ。誤算を不誠実と混同してはならぬ」。

歴史を今の目線で語るのではなく、その時代まで遡って、その時代と同じ目線で見た時に映るものは、決して今の時代の目線と同じではない。その時代と同じ目線で見た時に、あの戦争を愚かな戦争と断罪できるのだろうか。確かに、戦争は決して起こしてはならないのは当然の事。しかし、大東亜戦争について、家族を、恋人を守るために命を賭して戦った先人の思いや事実は、決して否定できるものではないし、今の時代の目線で断罪してはならないと私は思っている。そして、正しく歴史を学び、左翼に毒された戦後日本の近現代史教育を客観的に見、そして間違った教えを正し、正しい歴史の真実が、全うに語り継がれるべく、私自身、今後も活動をしていく所存である。

今日の日本の平和があるのは、先の大戦で命を賭して戦ってくださった英霊のお陰様であることを今一度噛み締めたいと思う。
2024.05.22 18:59 | 固定リンク | その他
令和6年度寺子屋「玉川未来塾」会員制度のご案内
2024.03.25
【令和6年度 寺子屋「玉川未来塾」 会員制度のご案内】

当塾は、戦前教育を悪としたGHQの戦後政策によって現代の日本人が忘れてしまった良き日本を取り戻すため、そして次世代のリーダー、次代を担う若者たちの育成、さらには正しい歴史観・国家観を継承していくために活動しています。

本制度は、より多くの方々に当塾の趣旨をご理解いただき、共感してもらえるよう、継続してイベントを実施していくこと、そしてそのイベントに参加していただくための会員制度です。

ぜひ、皆様には会員となっていただき、寺子屋「玉川未来塾」を支えていただくと共に、現代の日本人が忘れている良き日本を一緒に取り戻していきたいと思います。
皆様のご入会を心よりお待ち申し上げます。

【入会案内】 
<会員種類・年会費・会員特典>
*個人会員:本塾の目的に賛同し、本塾開催のイベントに積極的に参加する個人を言う。
年会費:10,000円
会員特典:①イベント参加費無料(年2回) ※1
     ②アーカイブ配信視聴料無料(年2回) ※2
     ③ご友人優待券(1,000円引き)1枚
     ④『寺子屋「玉川未来塾」通信』(仮)の発行(月1回)
*賛助会員:本塾の目的に賛同し、本塾の目的達成を支援する、個人・団体等を言う。
年会費:30,000円
会員特典:①イベント参加費無料(年2回) ※1
     ②イベント会場優先席用意
     ③アーカイブ配信視聴料無料(年2回) ※2
     ④ご友人優待券(1,000円引き)3枚
     ⑤『寺子屋「玉川未来塾」通信』(仮)の発行(月1回)
     ⑥スペシャルゲストを交えた特別行事にご優待
*特別会員:本塾の目的に賛同し、本塾の目的達成を支援する、企業・団体・組織等を言う。
年会費:100,000円
会員特典:①イベント参加費無料(年2回、1回に付き5名) ※1
     ②イベント会場ご優待席の用意
     ③アーカイブ配信視聴料無料(年2回) ※2
     ④玉川裕郷「書」プレゼント(好きな文字・用紙を選ぶ・表装あり) ※3
     ⑤『寺子屋「玉川未来塾」通信』(仮)の発行(月1回)
     ⑥スペシャルゲストを交えた特別行事にご優待

〔補足〕
※1 令和6年度寺子屋「玉川未来塾」のイベント(予定)

・8月24日(土):「靖國神社昇殿参拝、遊就館見学と講演会」
 講師:松本聖吾靖國神社禰宜・総務部長
 テーマ:「靖國神社と特攻隊」(仮題)(60分予定)
 講演後、遊就館自由拝観

・9月23日(月・祝):「靖國神社昇殿参拝&トークライブ」
 登壇者:柿崎ゆうじ氏(カートコーポレイトグループ代表取締役会長・映画監督)
 特別ゲスト:上島嘉郎氏(ジャーナリスト・雑誌「正論」元編集長)=予定
 ファシリテーター:葛城奈海氏(ジャーナリスト)
 テーマ:「特攻作戦は我々に何をもたらしたのか」(仮題)

※2 過去に開催したイベントのアーカイブ配信を年2回実施(6月・2月を予定)
   ①令和3年2月実施二宮金次郎講演会「令和によみがえれ!二宮金次郎」
   ②令和3年4月実施皇位継承問題講演会「万世一系の皇室を仰ぐ」

※3 用紙は、①色紙:1文字~20文字 ②半紙:1文字~6文字 ③画仙紙:14文字まで ④半切用
紙:32文字までの中から選ぶ。

<入会方法>
入会にあたっては、当塾のホームページより「設立趣旨」をお読みになり、ご賛同いただける方は、専用申込フォームよりお申し込みください。

「設立趣旨」➡ https://www.tamagawa-miraijuku.com/about.html    
「専用申込フォーム」➡ https://docs.google.com/forms/d/1fMNPpAnwRmlgLoJd1oHsOhmKXL02MM75fTlv214cpHc/edit


<会費振込方法>
 専用申し込みフォームにてお申込後2週間以内に、下記口座へお振込みください。(手数料はご本人
負担でお願いいたします、)
 
〔ゆうちょ銀行から〕
銀行名:ゆうちょ銀行
記 号:11370
番 号:14130921
口座名:タマガワ ヒロカズ

〔他金融機関から〕
銀行名:ゆうちょ銀行
口座名:タマガワ ヒロカズ
店 名:一三八(読み イチサンハチ)
店 番:138
種 目:普通預金
口座番号:1413092
 
<注意事項>
①会員資格は、ご加入の月に関わらず、翌年3月末日までとなります。
②一度納入いただいた会費につきましては、理由の如何に問わず返金いたしません。
③申し込みの際にご記入いただいた個人情報は、会員管理・郵便物の発送等の目的で利用いたします。
④入金確認後、会員証を発行いたします。1か月を過ぎてもお手元に届かない場合は、お手数ですがご連絡ください。また、万が一紛失した場合も、速やかにご連絡ください。

<問い合わせ・連絡先>
寺子屋「玉川未来塾」 代表 玉川 博一
〒196-0022 東京都昭島市中神町1136-19
TEL&FAX 042-519-7101
E-mail  tamagawamiraijyuku@gmail.com
2024.03.25 10:01 | 固定リンク | お知らせ
終戦80年に向けて①~私が思うこと
2024.03.14
来年は戦後80年、そして、今年は特攻作戦を敢行して80年の年。
戦争を体験された元軍人の方々は、ここ数年で次々と鬼籍に入られ、それらの方々から、生でお話を聞くことが難しくなった。そして、そのご遺族の方々もご高齢になり、亡くなられている方も多く、戦後、靖國神社を支えてきた遺族会の存続もままならぬ現状となっている。来年の戦後80年に向けて、我々は、次代にどのようにして大東亜戦争を伝え続けていくべきなのか。これは、戦後、我々のテーマではないかと考える。

「戦争はいかなる理由があろうとも絶対に行ってはならない」。
それはその通りであるし、もちろん、戦争は避けなければならないことは私も心底、そう思う。
だが、ウクライナのように、ロシアから一方的に軍事攻撃をされ、領土を奪われることが、国家国民として良いものであるわけがないし、もちろん、力による侵略はご法度である。
今は日本が戦争しに外に行く時代ではなく、戦争が向こうからやってくる時代。その点は、今の日本にも起こりうる現実を受け止めなくてはいけない。

核兵器を保有する中国、北朝鮮、ロシア、そして、いつでもケンカを売る韓国など、これらの危険な隣国に囲まれている日本にとって、地政学上、軍事的脅威は否定できない現実である。ましてや、国を護るべき自衛隊の予算をはじめ国力は、中国やロシアなどに比べれば、一国では及ばない力の差がある。そのため、日米同盟の強化は日本を守るべき選択肢の一つである。
日本の将来の結論は、「我が国の安全保障は、我が国で確立すべきものであり、その環境を整えていくことが、日本国の必然的な使命である」ということ。これは、誰しもが疑うことがない現状であると考える。
私はこう結論づけるのだが、そう簡単に物事が進むはずもなく、それに伴う、日本人としての精神が、確立されていない現状に心を悩ませる。

先般、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、X(旧Twitter)で「あなたは祖国のために戦えますか」と問いかける短い文章をアップしたところ、それに対して女性雑誌やスポーツ新聞などが激しい言葉で反論し、櫻井よしこ氏の国家基本問題研究所HP内の言葉を引用すれば、「《先ず櫻井よしこよ、お前が銃を持ち先頭切って戦いに行け》《櫻井よしこ、お前が率先して行け。人の命を軽んじるな!!》」などと書いています。「『自分は戦場に行く気もない人間がこういうことを言うんだよね』『老人が若者を煽ってはいけません』『祖国のためではなく、権力者のために血を流すことに若者も年寄りもNOと言っているのです』」とも書いています」との内容がコメントされたと。

こういった現実を含め、我々は何をしなければならなのか。一人一人何ができるのか。自分のこと、自分の子供たちのこと、親戚家族のこと、地域のこと、故郷のこと、国のことなど、そうしたものをひっくるめて、日本を守るために、それぞれの人がそれぞれの立場で、何ができるか考えなくてはならない本当の時代が来たと思っている。

その中で、私が主宰する「寺子屋『玉川未来塾』」で取り組む行いの一つに「先祖、英霊への感謝」がある。私の視点は、今の平和の日本があるのは、あの戦争で命を賭して戦ってくれた英霊のお陰であるし、元軍人であった祖父が戦地で病気にかかり、病院に入院している間に戦場に送られた戦友がいたからこそ、祖父が生還し、母親が生まれ、そして私が生まれたという現実は否定することが出来ず、こうした英霊に感謝することは、大切なこととして捉えていることである。

私が何故、先祖を大切に思うのか、英霊への感謝、靖國神社について、根本的な考え方を述べたいのだが、少し長くなるので、次回にアップすることとしたい。そして、次代の担う若者たちに考えていただけるような「道標」になれば、こんなに嬉しいことはない。
2024.03.14 08:24 | 固定リンク | イベント

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