メディアの凋落
2023.10.21
旧ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題について、60年前から疑惑が指摘され、これまで2度、裁判が行われてきたにも関わらず、BBCで取り上げられた後、世間に幅広くこの問題が明るみになるまでは、メディアはその報道をせず沈黙を守り通してきた。
故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害問題が最初に明るみに出たのは、1967年~78年にかけて一世を風靡したジャニーズタレント「フォーリーブス」の故北公次氏が、解散から10年後の1988年に、ジャニー氏から受けた性被害を赤裸々に綴った書籍『光GENJIへ』がきっかけだった。そして、翌年、ビデオでも被害を訴えていたが、メディアは沈黙。今年9月に、TBSがその告白ビデオを入手したとして、放送したが、「今更感」が拭えなかった。
この問題は、当然、故ジャニー喜多川氏に罪があるが、当の本人が亡くなっているにも関わらず、旧ジャニーズ事務所は被害者と向き合い、真摯に対応をしようとしている姿勢は、十分でないにしろ前に進むよう尽力しているので、私は旧ジャニーズ事務所について語ろうとは思わない。
しかし、メディアの責任については、無視できない事実であろうと考えている。
日本テレビ「news zero」の有働由美子キャスターは「海外の人権問題は徹底的に批判するのに、もっと近くにあった問題はちゃんと取材して知ろうとしませんでした。なぜ『沈黙』してしまったのか、重く問われているという覚悟のもとに向き合っていきたいと思います」と、メディアの責任について語ったが、私からすれば「何をいまさら」といった感が強い。前述のTBSにしてもそうだが、責任逃れを必死で語っているとしか思えず、それは各テレビ局がこぞって声明を出したが、どの社も同じように感じるし、苦しい言い訳にしか聞こえないのである。
「メディアの凋落」。
今回に留まらず、昨今のメディアの姿勢に、この言葉が当てはまると思えてならない。
この凋落のきっかけになったであろう、朝日新聞が、2014年9月11日、東京電力福島第一原発事故をめぐり政府の事故調査・検証委員会がまとめた、故・吉田昌郎元所長の「聴取結果書(調書)」に関する記事を誤りと認めて取り消した件や、「従軍慰安婦」誤報放置事件に関する謝罪会見。
この謝罪会見により、読者への信用失墜により、読者離れが加速した。
そして、その朝日新聞の購読を止めた読者の受け皿になるべく、東京新聞は親会社・中日新聞の意向を受け、思い切り左傾化へと舵を切り始めた。結果、朝日新聞よりも酷い左傾化記事報道を展開し、その先鋒、切り込み隊長として望月衣塑子記者を送り込んだと私は解釈している。
そして、官房長官を始め、数々の記者会見での彼女の質問に対する「暴走」は、記者としての器量や認識の浅はかさを露呈したのではないだろうかと感じてならないのである。
その最たるものは、ジャニーズ事務所の記者会見。(以下、引用)
「10月2日に開かれたジャニーズ事務所の会見で、望月氏は『自分を指してもらえなかった』ことを理由に何度も喚き散らした。その姿を見た視聴者の多くが呆れ、会見直後はSNS上に『下品』『傍若無人』などの批判が溢れ返った。だが、5日、ジャニーズ事務所側が指名しない記者をまとめた『NGリスト』を作成していた事実が発覚すると、風向きが変わった。望月氏はSNSで〈茶番、八百長会見〉と語気を強めて批判。〈東山氏と井ノ原氏の辞任を強く求めます〉〈やり直し会見を求めます〉と攻勢を強めている。
一連の騒ぎについて、東京新聞の中堅記者が呆れて語る。
『NGリストの件でジャニーズ事務所側に問題があったことは間違いない。ただし、それと彼女の振る舞いは別問題だと思います。300人も出席した会見で、自分が指されないことを問題視すること自体が傲慢でしょう』
前回の会見でも望月氏は、ほとんどの社が守っていた1社2問のルールを無視して10分以上も質問。セカンドレイプと批判を受けるような質問や『テレ朝は今日も中継しておりません』といった事実誤認の発言まで繰り出し、場を乱した“前科”があった。
『決して、ジャニーズ側を擁護するわけではありませんが、彼女についてはNGリストに入れられたのも仕方なかったと思います』(同)」と。
このような振る舞いは、記者の質の低下を思わせると同時に、他の優秀な記者への悪影響でもあると考えるのである。
「活字離れ」「テレビ離れ」と言われて久しいが、問題は先述の朝日新聞のように、ずっと以前から存在していると感じるのである。
メディアは、自分たちの主義主張を国民に知ら示すために、「一定の意図をもって発信する」ことが目的となる。その目的は、色々な番組、記事に寄り添う形で散りばめられ、時には直球で、時には変化球を交えて巧妙に発信する。それを視聴者は真に受ける。特にテレビ世代の50代以上の世帯層には絶妙に効果を発揮するが、逆にテレビを観ない、新聞を読まないネット世代の20代、30代には功を奏さない。
ネットに流れる情報は、正しい情報もあるが、偽情報もある。それが見極めにくくなっているのは事実であるため、何が正しくて、何が正しくないのかが分かりずらくなっている。
既存メディアは、報道する責任があるが故に、取材を重ね、間違った情報を流さないことで、信用と信頼があったにも関わらず、取材記者の質の低下や、朝日新聞のように、一定の意図をもって誤情報を発信するメディアの存在が、ますます「メディアの凋落」に拍車をかけると思ってならないのである。
メディアの役割とはなんであるのか。
日本新聞協会の新聞倫理綱領には以下のように記されている。
「(前略)国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。
おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである(後略)」。
そして、「正確と公正」について、「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである」。
これらが全うに遂行されているメディアはどこであろうか。一部のメディアは遂行していると思われるのに対し、少なくとも反日メディアやそれに伴う記者が属しているメディアには、この綱領に反するのではないかと考えるのである。
先日、元TBSキャスターを務めた松富(有村)かおり氏のSNSで、メディアの在り方や、日本国民としての自覚について投稿しているのを目にした。
的を得た指摘に大きく賛同したので、以下、引用し、ご紹介したい。
「世界は今までよりはるかに不安定で危険なものになっている。
日本の明日が、ウクライナやイスラエルのようにならないと誰が断言できるだろう。
アメリカは民主主義国を率いるリーダーシップを失いつつある。
E Uの理想主義はボロボロだ。
民主主義国家の陣営と、中露を中心とする独裁主義・権威主義国家陣営の対立は酷くなるばかり。
ロシアの中国依存は深まり、中露が手を組んで行動する機会が増えている。ロシアと北朝鮮は、兵器と食糧の融通で、パイプを太くしつつある。
まさに、日本にとっては『悪夢』のような状況が日々加速しているのに、なぜ、大手メディアはそれを報じないのか?
沖縄や鹿児島では、大変な勢いで、『台湾有事』に向けたシェルターの確保や、基地の強化が進む。
それを他の地域の日本人はほとんど知らされていない。
政府は、世界中から集めた情報から、『台湾有事はあるかないかではない。いつ起こるかだ』という結論に達しているのだ。多くの専門家が、台湾への武力侵攻が2027年までに起こる確率は8割を超えると判断しているのだ。
どうか、考えてほしい。
どうか、日本を取り巻く海外の情勢が大きく動き始めていることに気づいてほしい。
その上で、私たちに、この美しい国を平和な毎日を守るために何ができるか、考えてほしいのだ」。
我々国民はどれだけ正しい情報を取れているのか。
一部を除くメディアからでは正しい情報が取れなくなっている。ネットから得る情報が、ものによっては正しい情報を流したりしているのも事実であろうし、ガセネタを流すネット情報もある。しかし、現状メディアに対する不満、不安から、視聴者、購読者の減少を加速させているのではないかと思ってならない。一部を除く既存メディアの信用回復はまだ先のような気がするのは自分だけだろうか。
故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害問題が最初に明るみに出たのは、1967年~78年にかけて一世を風靡したジャニーズタレント「フォーリーブス」の故北公次氏が、解散から10年後の1988年に、ジャニー氏から受けた性被害を赤裸々に綴った書籍『光GENJIへ』がきっかけだった。そして、翌年、ビデオでも被害を訴えていたが、メディアは沈黙。今年9月に、TBSがその告白ビデオを入手したとして、放送したが、「今更感」が拭えなかった。
この問題は、当然、故ジャニー喜多川氏に罪があるが、当の本人が亡くなっているにも関わらず、旧ジャニーズ事務所は被害者と向き合い、真摯に対応をしようとしている姿勢は、十分でないにしろ前に進むよう尽力しているので、私は旧ジャニーズ事務所について語ろうとは思わない。
しかし、メディアの責任については、無視できない事実であろうと考えている。
日本テレビ「news zero」の有働由美子キャスターは「海外の人権問題は徹底的に批判するのに、もっと近くにあった問題はちゃんと取材して知ろうとしませんでした。なぜ『沈黙』してしまったのか、重く問われているという覚悟のもとに向き合っていきたいと思います」と、メディアの責任について語ったが、私からすれば「何をいまさら」といった感が強い。前述のTBSにしてもそうだが、責任逃れを必死で語っているとしか思えず、それは各テレビ局がこぞって声明を出したが、どの社も同じように感じるし、苦しい言い訳にしか聞こえないのである。
「メディアの凋落」。
今回に留まらず、昨今のメディアの姿勢に、この言葉が当てはまると思えてならない。
この凋落のきっかけになったであろう、朝日新聞が、2014年9月11日、東京電力福島第一原発事故をめぐり政府の事故調査・検証委員会がまとめた、故・吉田昌郎元所長の「聴取結果書(調書)」に関する記事を誤りと認めて取り消した件や、「従軍慰安婦」誤報放置事件に関する謝罪会見。
この謝罪会見により、読者への信用失墜により、読者離れが加速した。
そして、その朝日新聞の購読を止めた読者の受け皿になるべく、東京新聞は親会社・中日新聞の意向を受け、思い切り左傾化へと舵を切り始めた。結果、朝日新聞よりも酷い左傾化記事報道を展開し、その先鋒、切り込み隊長として望月衣塑子記者を送り込んだと私は解釈している。
そして、官房長官を始め、数々の記者会見での彼女の質問に対する「暴走」は、記者としての器量や認識の浅はかさを露呈したのではないだろうかと感じてならないのである。
その最たるものは、ジャニーズ事務所の記者会見。(以下、引用)
「10月2日に開かれたジャニーズ事務所の会見で、望月氏は『自分を指してもらえなかった』ことを理由に何度も喚き散らした。その姿を見た視聴者の多くが呆れ、会見直後はSNS上に『下品』『傍若無人』などの批判が溢れ返った。だが、5日、ジャニーズ事務所側が指名しない記者をまとめた『NGリスト』を作成していた事実が発覚すると、風向きが変わった。望月氏はSNSで〈茶番、八百長会見〉と語気を強めて批判。〈東山氏と井ノ原氏の辞任を強く求めます〉〈やり直し会見を求めます〉と攻勢を強めている。
一連の騒ぎについて、東京新聞の中堅記者が呆れて語る。
『NGリストの件でジャニーズ事務所側に問題があったことは間違いない。ただし、それと彼女の振る舞いは別問題だと思います。300人も出席した会見で、自分が指されないことを問題視すること自体が傲慢でしょう』
前回の会見でも望月氏は、ほとんどの社が守っていた1社2問のルールを無視して10分以上も質問。セカンドレイプと批判を受けるような質問や『テレ朝は今日も中継しておりません』といった事実誤認の発言まで繰り出し、場を乱した“前科”があった。
『決して、ジャニーズ側を擁護するわけではありませんが、彼女についてはNGリストに入れられたのも仕方なかったと思います』(同)」と。
このような振る舞いは、記者の質の低下を思わせると同時に、他の優秀な記者への悪影響でもあると考えるのである。
「活字離れ」「テレビ離れ」と言われて久しいが、問題は先述の朝日新聞のように、ずっと以前から存在していると感じるのである。
メディアは、自分たちの主義主張を国民に知ら示すために、「一定の意図をもって発信する」ことが目的となる。その目的は、色々な番組、記事に寄り添う形で散りばめられ、時には直球で、時には変化球を交えて巧妙に発信する。それを視聴者は真に受ける。特にテレビ世代の50代以上の世帯層には絶妙に効果を発揮するが、逆にテレビを観ない、新聞を読まないネット世代の20代、30代には功を奏さない。
ネットに流れる情報は、正しい情報もあるが、偽情報もある。それが見極めにくくなっているのは事実であるため、何が正しくて、何が正しくないのかが分かりずらくなっている。
既存メディアは、報道する責任があるが故に、取材を重ね、間違った情報を流さないことで、信用と信頼があったにも関わらず、取材記者の質の低下や、朝日新聞のように、一定の意図をもって誤情報を発信するメディアの存在が、ますます「メディアの凋落」に拍車をかけると思ってならないのである。
メディアの役割とはなんであるのか。
日本新聞協会の新聞倫理綱領には以下のように記されている。
「(前略)国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。
おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである(後略)」。
そして、「正確と公正」について、「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである」。
これらが全うに遂行されているメディアはどこであろうか。一部のメディアは遂行していると思われるのに対し、少なくとも反日メディアやそれに伴う記者が属しているメディアには、この綱領に反するのではないかと考えるのである。
先日、元TBSキャスターを務めた松富(有村)かおり氏のSNSで、メディアの在り方や、日本国民としての自覚について投稿しているのを目にした。
的を得た指摘に大きく賛同したので、以下、引用し、ご紹介したい。
「世界は今までよりはるかに不安定で危険なものになっている。
日本の明日が、ウクライナやイスラエルのようにならないと誰が断言できるだろう。
アメリカは民主主義国を率いるリーダーシップを失いつつある。
E Uの理想主義はボロボロだ。
民主主義国家の陣営と、中露を中心とする独裁主義・権威主義国家陣営の対立は酷くなるばかり。
ロシアの中国依存は深まり、中露が手を組んで行動する機会が増えている。ロシアと北朝鮮は、兵器と食糧の融通で、パイプを太くしつつある。
まさに、日本にとっては『悪夢』のような状況が日々加速しているのに、なぜ、大手メディアはそれを報じないのか?
沖縄や鹿児島では、大変な勢いで、『台湾有事』に向けたシェルターの確保や、基地の強化が進む。
それを他の地域の日本人はほとんど知らされていない。
政府は、世界中から集めた情報から、『台湾有事はあるかないかではない。いつ起こるかだ』という結論に達しているのだ。多くの専門家が、台湾への武力侵攻が2027年までに起こる確率は8割を超えると判断しているのだ。
どうか、考えてほしい。
どうか、日本を取り巻く海外の情勢が大きく動き始めていることに気づいてほしい。
その上で、私たちに、この美しい国を平和な毎日を守るために何ができるか、考えてほしいのだ」。
我々国民はどれだけ正しい情報を取れているのか。
一部を除くメディアからでは正しい情報が取れなくなっている。ネットから得る情報が、ものによっては正しい情報を流したりしているのも事実であろうし、ガセネタを流すネット情報もある。しかし、現状メディアに対する不満、不安から、視聴者、購読者の減少を加速させているのではないかと思ってならない。一部を除く既存メディアの信用回復はまだ先のような気がするのは自分だけだろうか。
戦後78年目の夏
2023.08.15
今年もまた、8月15日「敗戦の日」がやってきた。忘れてはならない4つの日の一つである。
「忘れてはならない4つの日」とは。
一つは6月23日「沖縄慰霊の日」、二つは8月6日の「広島原爆の日」三つは8月9日「長崎原爆の日」、そして、8月15日の「終戦の日」であり、上皇陛下はこの4つを「忘れてはならない日」として挙げている。
78年前のこの日、正午に昭和天皇による「終戦の詔書」は、ラジオで玉音放送が流れた。
その全文を以下に記したい。
【原文】
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現狀トニ鑑ミ 非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ 茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑ゝ帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ 萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ 皇祖皇宗ノ遺範ニシテ
朕ノ拳々措カサル所
曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦 實ニ帝國ノ自存ト 東亞ノ安定トヲ庻幾スルニ出テ 他國ノ主權ヲ排シ 領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ 朕カ志ニアラス
然ルニ交戰已ニ四歳ヲ閲シ 朕カ陸海將兵ノ勇戰 朕カ百僚有司ノ勵精 朕カ一億衆庻ノ奉公 各ゝ最善ヲ盡セルニ拘ラス 戰局必スシモ好轉セス
世界ノ大勢亦我ニ利アラス
加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ 頻ニ無辜ヲ殺傷シ 慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ 終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス 延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ 皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ
是レ朕カ帝國政府ヲシテ 共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝國ト共ニ 終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ 遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス
帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ 職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及 其ノ遺族ニ想ヲ致セハ 五内爲ニ裂ク
且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ 家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ 朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝國ノ受クヘキ 苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル
然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所 堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ 以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ 忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ 常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若シ夫レ情ノ激スル所 濫ニ事端ヲ滋クシ 或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ 爲ニ大道ヲ誤リ 信義ヲ世界ニ失フカ如キハ 朕最モ之ヲ戒ム
宜シク擧國一家子孫相傳ヘ 確ク神州ノ不滅ヲ信シ 任重クシテ道遠キヲ念ヒ 總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ 誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ 世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ
爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ
【現代語訳】
私(昭和天皇)は、世界の情勢と日本が置かれている状況とを深く考えあわせて、緊急の手段をもってこの事態を収めようと思い、私の忠良なる国民に告げる。
私は、わが日本政府をもって、アメリカ、イギリス、中国、ソ連の4か国に対し、共同宣言(ポツダム宣言)を受け入れる旨を通告させた。
そもそも、わが国民が平穏に、安らかに暮らせるように心がけ、世界が共に栄えて、その喜びを共有することは、歴代天皇が手本として遺してきた教えであり、私も常にその考えを持ち続けてきた。
アメリカとイギリスに宣戦を布告した理由も、日本の自存と東アジアの安定を心から願ったためであり、他国の主権を排除したり、領土を侵略するようなことは、私の意志とはまったくもって異なる。
この戦争がはじまり、すでに4年が経過した。その間も陸海軍の将兵は勇敢に戦い、多くの役人たちは職務に励み、一億国民もそれぞれの職域で努力し、最善を尽くしたが、戦局は必ずしもわが方に好転したとは言えず、世界の情勢もまた日本にとって不利である。
それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾を(広島、長崎で)使用し、罪なき人々を殺傷し、その惨害が及ぶ範囲は測り知ることができない。
このような状況でなおも戦争を続ければ、わが日本民族の滅亡を招くだけでなく、ひいては人類の文明をも破壊してしまうだろう。
そのようなことになれば、私はどうして我が子に等しい国民を守り、歴代天皇の御霊に謝ることができようか。
これこそが、私がポツダム宣言を受諾するようにした理由である。
ポツダム宣言の受諾に至って、私は、日本とともにアジア解放に協力した友好諸国に対して遺憾の意を表明しないわけにはいかない。
日本国民も、戦死したり、職場で殉職したり、不幸な運命で亡くなった人、またその遺族のことを考えると、悲しみで身も心も引き裂かれる思いだ。
戦争で負傷し、空襲などの戦災に見まわれて、家や仕事を失った人たちの生活を考えると、とても心配で胸を痛めている。
これから日本が受けるであろう苦難は、筆舌に尽くしがたいものであろう。国民みなの気持ちも、私はよくわかっている。
けれども私は、時の運命に導かれるまま、耐え難いことにも耐え、我慢ならないことにも我慢して、人類の未来のために平和の実現を計りたい。
私は、ここに国体を護ることができ、忠良なる国民の真心を信頼しつつ、常に国民と一緒にいる。
もし感情のままに、みだりに争いごとや問題を起こしたり、仲間同士で互いを陥れたり、時局を混乱させたりして、人が行うべき道を誤り、世界から信用を失うようなことになれば、それは私が最も戒めたいことだ。
全国民が家族のように一致団結し、この国を子孫に伝え、神国(日本)の不滅を固く信じて、国家の再建と繁栄の任務は重く、その道のりが遠いことを心に留め、持てる総ての力を将来の建設に注ぎ、道義心を大切にし、志を固く守って誓い、わが国の真価を発揮して、世界の発展に遅れをとらないよう努力しなければならない。
国民には、これが私の意志だと、よく理解して行動してほしい。
中西輝政京都大学名誉教授は、「昭和天皇はラジオの玉音放送で戦争の終わりを国民に告げられた。それと同時に、この大戦での戦死者や戦争犠牲者のことを忘れず、これからの尋常ならざる苦難の時代にも、いままで同様に常に国民と共にある」、と同時に「日本の国の連続性をも国民に訴えられたのである」と言う。
そして、「国家としての日本の連続性を示す証は他になく、それによって日本人は心を一つにして祖国の再建の道に邁進しようと立ち上がったのであった。当時を生きた圧倒的多数の日本人は、まさにこの言葉で一つになったのではなかったか。つまり、『8月15日』は日本という国の断絶ではなく、その深い連続性を国民に教えている日なのであり、その連続性の象徴として戦没者を祀っているのが靖國神社なのである」とも語っている。戦前と戦後を通じる『日本人の心』の連続性の証として、靖国神社が存在する」と言うのだ。誠にその通りだと思うのである。
今日8月15日は、多くの日本国民が靖国神社に参拝したのではなかろうか。
かく言う私も本日は行くことが出来なかったが、8月14日にお参りをし、昇殿参拝もさせていただいた。
中西名誉教授の言葉を借りるならば「戦没者、軍人を慰霊し、その精神や物語を代々継承していくことは、どの国も行っていることである。そして、その慰霊と顕彰は、その国の伝統的な文化や習俗、宗教的な慣習に則ったかたちで行われなければ意味のある慰霊、顕彰にはならない」。
また、反日マスコミはこぞって、閣僚、政治家の靖国参拝を報じ、中国や韓国にお伺いを立て、その意向を報道する。しかし、中国や韓国などに非難されるいわれもない。内政干渉も甚だしい。いったいいつまで我々は戦後を引きずらなければならないのか。
そう思った本日であった。
そして、今年も「靖國神社昇殿参拝、遊就館見学」イベントを8月26日(土)に開催する。
https://tamagawa-miraijuku.com/event.html
英霊に対し感謝の誠を捧げ、参加者一同、本殿にて昇殿参拝をさせていただき、「ありがとうございます」とお伝えする。また、靖國神社職員による講演「次代へ繋ぐ英霊の思い」で、講師の経験の上にある深い話に心を寄せ、より一層、英霊への感謝を深めていただきたいと思う。そして、今更ながらではあるが、今一度、今日命あるありがたみを感じていきたいと思う。
「忘れてはならない4つの日」とは。
一つは6月23日「沖縄慰霊の日」、二つは8月6日の「広島原爆の日」三つは8月9日「長崎原爆の日」、そして、8月15日の「終戦の日」であり、上皇陛下はこの4つを「忘れてはならない日」として挙げている。
78年前のこの日、正午に昭和天皇による「終戦の詔書」は、ラジオで玉音放送が流れた。
その全文を以下に記したい。
【原文】
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現狀トニ鑑ミ 非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ 茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑ゝ帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ 萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ 皇祖皇宗ノ遺範ニシテ
朕ノ拳々措カサル所
曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦 實ニ帝國ノ自存ト 東亞ノ安定トヲ庻幾スルニ出テ 他國ノ主權ヲ排シ 領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ 朕カ志ニアラス
然ルニ交戰已ニ四歳ヲ閲シ 朕カ陸海將兵ノ勇戰 朕カ百僚有司ノ勵精 朕カ一億衆庻ノ奉公 各ゝ最善ヲ盡セルニ拘ラス 戰局必スシモ好轉セス
世界ノ大勢亦我ニ利アラス
加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ 頻ニ無辜ヲ殺傷シ 慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ 終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス 延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ 皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ
是レ朕カ帝國政府ヲシテ 共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝國ト共ニ 終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ 遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス
帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ 職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及 其ノ遺族ニ想ヲ致セハ 五内爲ニ裂ク
且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ 家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ 朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝國ノ受クヘキ 苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル
然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所 堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ 以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ 忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ 常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若シ夫レ情ノ激スル所 濫ニ事端ヲ滋クシ 或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ 爲ニ大道ヲ誤リ 信義ヲ世界ニ失フカ如キハ 朕最モ之ヲ戒ム
宜シク擧國一家子孫相傳ヘ 確ク神州ノ不滅ヲ信シ 任重クシテ道遠キヲ念ヒ 總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ 誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ 世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ
爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ
【現代語訳】
私(昭和天皇)は、世界の情勢と日本が置かれている状況とを深く考えあわせて、緊急の手段をもってこの事態を収めようと思い、私の忠良なる国民に告げる。
私は、わが日本政府をもって、アメリカ、イギリス、中国、ソ連の4か国に対し、共同宣言(ポツダム宣言)を受け入れる旨を通告させた。
そもそも、わが国民が平穏に、安らかに暮らせるように心がけ、世界が共に栄えて、その喜びを共有することは、歴代天皇が手本として遺してきた教えであり、私も常にその考えを持ち続けてきた。
アメリカとイギリスに宣戦を布告した理由も、日本の自存と東アジアの安定を心から願ったためであり、他国の主権を排除したり、領土を侵略するようなことは、私の意志とはまったくもって異なる。
この戦争がはじまり、すでに4年が経過した。その間も陸海軍の将兵は勇敢に戦い、多くの役人たちは職務に励み、一億国民もそれぞれの職域で努力し、最善を尽くしたが、戦局は必ずしもわが方に好転したとは言えず、世界の情勢もまた日本にとって不利である。
それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾を(広島、長崎で)使用し、罪なき人々を殺傷し、その惨害が及ぶ範囲は測り知ることができない。
このような状況でなおも戦争を続ければ、わが日本民族の滅亡を招くだけでなく、ひいては人類の文明をも破壊してしまうだろう。
そのようなことになれば、私はどうして我が子に等しい国民を守り、歴代天皇の御霊に謝ることができようか。
これこそが、私がポツダム宣言を受諾するようにした理由である。
ポツダム宣言の受諾に至って、私は、日本とともにアジア解放に協力した友好諸国に対して遺憾の意を表明しないわけにはいかない。
日本国民も、戦死したり、職場で殉職したり、不幸な運命で亡くなった人、またその遺族のことを考えると、悲しみで身も心も引き裂かれる思いだ。
戦争で負傷し、空襲などの戦災に見まわれて、家や仕事を失った人たちの生活を考えると、とても心配で胸を痛めている。
これから日本が受けるであろう苦難は、筆舌に尽くしがたいものであろう。国民みなの気持ちも、私はよくわかっている。
けれども私は、時の運命に導かれるまま、耐え難いことにも耐え、我慢ならないことにも我慢して、人類の未来のために平和の実現を計りたい。
私は、ここに国体を護ることができ、忠良なる国民の真心を信頼しつつ、常に国民と一緒にいる。
もし感情のままに、みだりに争いごとや問題を起こしたり、仲間同士で互いを陥れたり、時局を混乱させたりして、人が行うべき道を誤り、世界から信用を失うようなことになれば、それは私が最も戒めたいことだ。
全国民が家族のように一致団結し、この国を子孫に伝え、神国(日本)の不滅を固く信じて、国家の再建と繁栄の任務は重く、その道のりが遠いことを心に留め、持てる総ての力を将来の建設に注ぎ、道義心を大切にし、志を固く守って誓い、わが国の真価を発揮して、世界の発展に遅れをとらないよう努力しなければならない。
国民には、これが私の意志だと、よく理解して行動してほしい。
中西輝政京都大学名誉教授は、「昭和天皇はラジオの玉音放送で戦争の終わりを国民に告げられた。それと同時に、この大戦での戦死者や戦争犠牲者のことを忘れず、これからの尋常ならざる苦難の時代にも、いままで同様に常に国民と共にある」、と同時に「日本の国の連続性をも国民に訴えられたのである」と言う。
そして、「国家としての日本の連続性を示す証は他になく、それによって日本人は心を一つにして祖国の再建の道に邁進しようと立ち上がったのであった。当時を生きた圧倒的多数の日本人は、まさにこの言葉で一つになったのではなかったか。つまり、『8月15日』は日本という国の断絶ではなく、その深い連続性を国民に教えている日なのであり、その連続性の象徴として戦没者を祀っているのが靖國神社なのである」とも語っている。戦前と戦後を通じる『日本人の心』の連続性の証として、靖国神社が存在する」と言うのだ。誠にその通りだと思うのである。
今日8月15日は、多くの日本国民が靖国神社に参拝したのではなかろうか。
かく言う私も本日は行くことが出来なかったが、8月14日にお参りをし、昇殿参拝もさせていただいた。
中西名誉教授の言葉を借りるならば「戦没者、軍人を慰霊し、その精神や物語を代々継承していくことは、どの国も行っていることである。そして、その慰霊と顕彰は、その国の伝統的な文化や習俗、宗教的な慣習に則ったかたちで行われなければ意味のある慰霊、顕彰にはならない」。
また、反日マスコミはこぞって、閣僚、政治家の靖国参拝を報じ、中国や韓国にお伺いを立て、その意向を報道する。しかし、中国や韓国などに非難されるいわれもない。内政干渉も甚だしい。いったいいつまで我々は戦後を引きずらなければならないのか。
そう思った本日であった。
そして、今年も「靖國神社昇殿参拝、遊就館見学」イベントを8月26日(土)に開催する。
https://tamagawa-miraijuku.com/event.html
英霊に対し感謝の誠を捧げ、参加者一同、本殿にて昇殿参拝をさせていただき、「ありがとうございます」とお伝えする。また、靖國神社職員による講演「次代へ繋ぐ英霊の思い」で、講師の経験の上にある深い話に心を寄せ、より一層、英霊への感謝を深めていただきたいと思う。そして、今更ながらではあるが、今一度、今日命あるありがたみを感じていきたいと思う。
共産主義の歴史戦に乗じてはならぬ
2023.08.03
昨年の7月31日、「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」講演会&トークライブというイベントを主宰した。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになり、その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれており、近現代史がアップデートされている現実が現在進行形で進んでいる。
このような事実を受け、アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告してもらおうと、評論家の江崎道朗先生と麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授にご登壇いただき、欧米で広がっている戦勝国史観の見直しの現状と、現在進行形で行われている共産主義の脅威についてお話をいただいた。
そのイベントの中で「『共産主義という思想の存在に危機感を持って注視すること』が大切であり、日本のメディアに頼るのではなく、日々、国際政治に目を向け、世界の流れを注視することが重要である。そして、視野の狭さは国益を損なう」という先生方の言葉が、今の世の中の流れを客観的に見た時に、その共産主義の手中にのってしまった保守もいるのではないかと感じるのと同時に、自分自身の在り方が問われる時代になったと実感する。
先日、台湾との外交関係を維持する中米グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領が、首都グアテマラ市の大統領府で読売新聞の単独インタビューに応じたとして、ジャマテイ氏は2020年の就任以来、中国から「台湾との断交」を条件に巨額のインフラ投資など様々な申し出を受けたが、いずれも拒否したことを明かした。「我々は友人(台湾)を売り渡す習慣はない」と述べ、台湾との外交関係を維持する姿勢を強調したとの報道があった。
台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち、中南米・カリブ地域には7か国が集中し、中でもグアテマラは最大の人口や経済規模を誇る国だ。
しかし、同地域では近年、台湾と断交し、中国と国交を樹立する「断交ドミノ」が進んでおり、2017年以降、ホンジュラスなど5か国が相次いで中国にくら替えし、ジャマテイ氏は「中国は特に経済的な問題を抱えた国々を買い取っている」と指摘している。そして、「身売りするならこれ以上の買い手はない、と思わせるような申し出をたくさん受けてきた」と証言している。
昨年、江崎道朗先生、ジェイソン・モーガン先生が話され、現在進行形で動いている共産主義の脅威は、上記の中国、そして、ウクライナ侵攻をしているロシアなどに象徴されているのと同時に、日本のマスコミにも浸透しているのではないかと思うほどである。
岸田政権の経済政策などネガティブな政策が多分に行われる現実に自分も憤りを感じるが、安全保障政策などは、安倍政権でも成し得なかったことをひとつひとつ実行している現実もある。しかし、マスコミ報道はネガティブな報道ばかりが目立ち、良い成果をもたらしている情報は大きく取り上げられない。そして、ネガティブな報道は反岸田を煽り、打倒岸田政権へと国民感情を動かす。さらには、保守を分断させるような報道も見受けられる。
しかし、ちょっと待って欲しい。その情報に煽られた国民はどうするつもりなのか。自民党に反対票を投じ、野党に政権を譲り渡しても良いと思っているのか。日本維新の会に力はあるのか。国民民主党が良いのか。参政党で良いのか。それぞれ魅力がある政党かもしれない。しかし、客観的に見た時に今の日本を救えるだけの力があるのかは、私は疑問である。民主党政権時のような二の舞はまっぴらごめんだ。
と、このように、昨日まで思っていたが、仙台市議会議員選挙の結果を見て、和田政宗参議院議員が以下のような選挙結果を、8月3日のFacebookでアップしていた。
仙台市議選の開票結果を計算した。
前回に比べ得票数は、
自民 -23800
立民 -10300
共産 -10300
国民 -4900
公明 -1100
維新 +21300
参政 +11200
れいわ +3000
(いずれも前回候補者無)
※2桁以下は切り捨てて表記
※投票率下落で有効投票数-1万票
自民党は大きく得票を減らし深刻な状況。
この数字からも、前回は自民党に投票し今回は投票しなかった方々が、維新、参政へ投票したか、投票に行かなかったと分析できる。
この分析は大きく外れてはいないであろう。
今まで自民党を応援していた本来の支持者をも、自民党から距離を置くようになったのと同時に、従来の自民党支持者をも敵に回ってしまっている現実を、元に戻すといった信頼回復には、起死回生の政策がなければ、相当な時間が必要なのではないかと思う。
その自民党も一枚岩ではない。
そもそも自民党は、1955年11月15日に吉田茂党首が率いる「自由党」と、鳩山一郎が率いる「日本民主党」が合同し、自由民主党が結成されたこと。これに先立って社会党再統一が行われていたことから保守政党と革新政党のそれぞれに大政党が誕生することとなり、55年体制が成立した。そして、憲法改正を最も意欲的に実行しようとしていたのは「日本民主党」であって、宏池会の前身である「吉田学校」の親である吉田茂率いる「自由党」ではない。こうしたことからも分かるように、自民党は雑多な思想が混在した政党であって、従来あるべき、保守政党ではないと私は考えている。
しかし、LGBT法案成立の際に反対した議員がいたことでも分かるように、亡くなられた安倍晋三元首相のように、保守議員は多数存在するし、そうした保守議員を応援することを何故しないのであろうかとつくづく思うのである。マスコミのネガティブキャンペーンにズッポリと埋まってしまい、反自民党へと動く保守派に私は残念だと思う気持ちしかない。
そんな中、自民党女性局フランス研修の旅行と疑われても仕方がない写メをFacebookにアップするなど、安倍晋三元首相が亡くなってから、タガが外れたかのように色々な問題が噴き出てくるが、このように、身内から矢を引くような行動をする議員には、どうしたものかと思わざるを得ない。
それでも、私は、反日マスコミや左翼・リベラルの、民意にすり寄り、引き剥がそうとする歴史戦が展開されているという現実を忘れてはならないと思っている。そして、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領のように、国益のためには何が必要であるのか。共産主義の甘い誘いに乗ることなく、現実を注視しつつ、客観的に見れる視野を常に持ち続けたいと思う昨今なのである。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を公開したことで、第二次世界大戦の背景に、ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあったことが明らかになり、その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になったことで、「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の戦勝国史観を見直す動きが生まれており、近現代史がアップデートされている現実が現在進行形で進んでいる。
このような事実を受け、アメリカ、イギリス、そして日本の機密文書の実態と、その機密文書の公開によって、いわゆる戦勝国史観が欧米でどのように見直されているのか、最新の情勢について報告してもらおうと、評論家の江崎道朗先生と麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授にご登壇いただき、欧米で広がっている戦勝国史観の見直しの現状と、現在進行形で行われている共産主義の脅威についてお話をいただいた。
そのイベントの中で「『共産主義という思想の存在に危機感を持って注視すること』が大切であり、日本のメディアに頼るのではなく、日々、国際政治に目を向け、世界の流れを注視することが重要である。そして、視野の狭さは国益を損なう」という先生方の言葉が、今の世の中の流れを客観的に見た時に、その共産主義の手中にのってしまった保守もいるのではないかと感じるのと同時に、自分自身の在り方が問われる時代になったと実感する。
先日、台湾との外交関係を維持する中米グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領が、首都グアテマラ市の大統領府で読売新聞の単独インタビューに応じたとして、ジャマテイ氏は2020年の就任以来、中国から「台湾との断交」を条件に巨額のインフラ投資など様々な申し出を受けたが、いずれも拒否したことを明かした。「我々は友人(台湾)を売り渡す習慣はない」と述べ、台湾との外交関係を維持する姿勢を強調したとの報道があった。
台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち、中南米・カリブ地域には7か国が集中し、中でもグアテマラは最大の人口や経済規模を誇る国だ。
しかし、同地域では近年、台湾と断交し、中国と国交を樹立する「断交ドミノ」が進んでおり、2017年以降、ホンジュラスなど5か国が相次いで中国にくら替えし、ジャマテイ氏は「中国は特に経済的な問題を抱えた国々を買い取っている」と指摘している。そして、「身売りするならこれ以上の買い手はない、と思わせるような申し出をたくさん受けてきた」と証言している。
昨年、江崎道朗先生、ジェイソン・モーガン先生が話され、現在進行形で動いている共産主義の脅威は、上記の中国、そして、ウクライナ侵攻をしているロシアなどに象徴されているのと同時に、日本のマスコミにも浸透しているのではないかと思うほどである。
岸田政権の経済政策などネガティブな政策が多分に行われる現実に自分も憤りを感じるが、安全保障政策などは、安倍政権でも成し得なかったことをひとつひとつ実行している現実もある。しかし、マスコミ報道はネガティブな報道ばかりが目立ち、良い成果をもたらしている情報は大きく取り上げられない。そして、ネガティブな報道は反岸田を煽り、打倒岸田政権へと国民感情を動かす。さらには、保守を分断させるような報道も見受けられる。
しかし、ちょっと待って欲しい。その情報に煽られた国民はどうするつもりなのか。自民党に反対票を投じ、野党に政権を譲り渡しても良いと思っているのか。日本維新の会に力はあるのか。国民民主党が良いのか。参政党で良いのか。それぞれ魅力がある政党かもしれない。しかし、客観的に見た時に今の日本を救えるだけの力があるのかは、私は疑問である。民主党政権時のような二の舞はまっぴらごめんだ。
と、このように、昨日まで思っていたが、仙台市議会議員選挙の結果を見て、和田政宗参議院議員が以下のような選挙結果を、8月3日のFacebookでアップしていた。
仙台市議選の開票結果を計算した。
前回に比べ得票数は、
自民 -23800
立民 -10300
共産 -10300
国民 -4900
公明 -1100
維新 +21300
参政 +11200
れいわ +3000
(いずれも前回候補者無)
※2桁以下は切り捨てて表記
※投票率下落で有効投票数-1万票
自民党は大きく得票を減らし深刻な状況。
この数字からも、前回は自民党に投票し今回は投票しなかった方々が、維新、参政へ投票したか、投票に行かなかったと分析できる。
この分析は大きく外れてはいないであろう。
今まで自民党を応援していた本来の支持者をも、自民党から距離を置くようになったのと同時に、従来の自民党支持者をも敵に回ってしまっている現実を、元に戻すといった信頼回復には、起死回生の政策がなければ、相当な時間が必要なのではないかと思う。
その自民党も一枚岩ではない。
そもそも自民党は、1955年11月15日に吉田茂党首が率いる「自由党」と、鳩山一郎が率いる「日本民主党」が合同し、自由民主党が結成されたこと。これに先立って社会党再統一が行われていたことから保守政党と革新政党のそれぞれに大政党が誕生することとなり、55年体制が成立した。そして、憲法改正を最も意欲的に実行しようとしていたのは「日本民主党」であって、宏池会の前身である「吉田学校」の親である吉田茂率いる「自由党」ではない。こうしたことからも分かるように、自民党は雑多な思想が混在した政党であって、従来あるべき、保守政党ではないと私は考えている。
しかし、LGBT法案成立の際に反対した議員がいたことでも分かるように、亡くなられた安倍晋三元首相のように、保守議員は多数存在するし、そうした保守議員を応援することを何故しないのであろうかとつくづく思うのである。マスコミのネガティブキャンペーンにズッポリと埋まってしまい、反自民党へと動く保守派に私は残念だと思う気持ちしかない。
そんな中、自民党女性局フランス研修の旅行と疑われても仕方がない写メをFacebookにアップするなど、安倍晋三元首相が亡くなってから、タガが外れたかのように色々な問題が噴き出てくるが、このように、身内から矢を引くような行動をする議員には、どうしたものかと思わざるを得ない。
それでも、私は、反日マスコミや左翼・リベラルの、民意にすり寄り、引き剥がそうとする歴史戦が展開されているという現実を忘れてはならないと思っている。そして、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領のように、国益のためには何が必要であるのか。共産主義の甘い誘いに乗ることなく、現実を注視しつつ、客観的に見れる視野を常に持ち続けたいと思う昨今なのである。
スペシャリストとジェネラリスト
2023.07.30
映画「アポロ13号」をご存知であろうか。
1995年劇場公開された月面探査船アポロ13号爆発事故の実話を基に、絶体絶命の危機に陥った乗組員たちの救出劇をスリリングに描いた人間ドラマである。主演は船長のジェームス・ラベルを演じるトム・ハンクスであるが、この映画のもう一人の主人公が、当時、NASAの主席飛行管制官をつとめていたジーン・クランツ。エド・ハリス演じるこのリーダー、ジーン・クランツは、このアポロ13号の絶命の危機を救う。
この事故は、月に向かって飛ぶアポロ13号が、突然、酸素タンクの爆発事故を起こし、深刻な電力不足と水不足という絶望的な状況に陥ったもの。
この前代未聞の事故に遭遇し、NASAの全米でも選り抜かれたスペシャリスト集団たちは途方に暮れる状況。しかし、この専門家達の誰もが、前代未聞の事故の前で解決策が見つからず、途方に暮れる状況の中で、ジーン・クランツは強いリーダーシップを発揮し、「我々のミッションは、この3人の乗組員たちを生きて還らすことだ!」と言って、次々に発生する難問に対して専門家達の知恵を総動員し、解決策を見つけ、次々と問題を解決していく。この一人のリーダーの見事な姿は、自身のミッションを明確に定め、そのミッションの完遂まで決して諦めない姿を示してくれた。
もう一つ、別な話をしたい。
米国にノーベル経済学賞を受賞したケネス・アロー、ノーベル物理学賞のマレー・ゲルマン、同じく物理学賞のフィリップ・アンダーソンが設立した「サンタフェ研究所」という研究所がある。この研究所で働く研究者は、物理学、化学、生物学、医学、脳科学、心理学、社会心理学、人類学、文化人類学、社会学、経済学、政治学、歴史学、情報科学など、ほとんどすべての研究分野から研究者達が集まっていた。そして、この研究所は「学際的アプローチ」や「総合的アプローチ」に果敢に挑戦するスタイルを採っていて、例えば、経済学者と物理学者といった全く違った分野の専門家が一緒のテーブルに着き、専門用語の壁を超え、「複雑系」といったテーマについて、自由かつ率直に議論するといった文化を持つ。
この研究所の創設者でもある元所長のジョージ・コーワン博士は、サンタフェ研究所の将来に対し、今後、どの分野の専門家(スペシャリスト)を必要としているのか、の問いに対し、以下のように答えたという。
「この研究所には専門家(スペシャリスト)は、もう十分にいる。我々が本当に必要としているのは、それら様々な分野を、研究を『統合』する『スーパージェネラリストだ』」と。
個別の分野の「専門に知性」だけでは解決できない「学際的問題」を解決するために、個別の「専門の知性」を、その「垣根」を超えて統合する「統合の知性」が必要であり、コーワン博士が「スーパージェネラリスト」と呼んだのは、そうした「統合の知性」を持った人材のことで、それは、様々な専門分野を、その境界を超えて水平に統合する「水平統合の知性」を持った人材のことを云うのだそうだ。
多摩大学大学院名誉教授でシンクタンク・ソフィアバンク代表の田坂広志氏は「専門の知性」ではなく、「統合の知性」を持った人材、それも「水平統合の知性」ではなく「垂直統合の知性」を持った人材が必要であると言う。そして、映画「アポロ13号」で描かれたジーン・クランツの姿は、我々に求められる「知性」の在り方を象徴的に示しているというのである。
・これまで誰も経験したことが無い、前代未聞の事故。
・絶望的な極限状況に置かれた、三人の乗組員の生命。
・専門家達も解決策を見出せない、想像を絶する難題。
こうした問題を前にして、NASAの専門家達を率い、その難題に粘り強く取り組み、最終的に、それを成功裏に解決した人物。容易に答えの見つからない問いに対して決して諦めず、その問いを問い続ける「知性」を持ったジーン・クランツは「垂直統合の思考」を持っていたという。すなわち、様々なレベルでの思考を切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合することができるのだというのだ。
そして、その様々な思考とは、次の「7つのレベルの思考」を指す。
①明確な「ビジョン」
②基本的な「戦略」
③具体的な「戦術」
④個別の「技術」
⑤優れた「人間力」
⑥素晴らしい「志」
⑦深い「思想」
これら「7つのレベル思考」を切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合することができ、「垂直統合」の思考を身に付けていたと言うのである。
では、この「7つのレベルの思考」を身に付けるにはどうしたら良いのか。
その答えは「自己限定を捨てる」こと。
我々は、無意識に自分の思考を自分が得意だと思っている「思考レベル」に限定しておこなう傾向があり、その「自己限定」のために、自分の中に眠る「可能性」を開花させることができないで終わってしまう。自分の限界を超えることにより、「7つのレベル思考」を身に付けることができるのである。
私は、習字教室を営み、書道家という肩書も持っていることにおいては、その分野ではスペシャリストではあるが、勉強会、イベントの主催などを開催する寺子屋「玉川未来塾」主宰者の立場では、スペシャリストを講師に依頼し、それを形にするといった意味では、ジェネラリストであるかと思う。
現代社会を見ていると、それぞれの分野でのスペシャリストはたくさんいるが、ジョーン・クランツのように、客観的な視野で物事を整理し、そして、総合して物事の解決に向かって尽力するといったジェネラリストの存在はスペシャリストに対してどの程度の割合でいるのか。むしろ、少ないのではないか。
ジェネラリストの視点をもって、物事に当たることが、複雑化した現代社会にはとても必要ではないのか。そして、自己の限界を超えることこそが、人間を成長させる早道なのではないか。さらには、そうすることによって、「スーパージェネラリスト」という「垂直統合」の思考を身に付けることができ、どんな困難にも立ち向かい、解決することができるのではないか。色々な問題が湧き起こる現代だからこそ、そう思って止まない昨今である。
1995年劇場公開された月面探査船アポロ13号爆発事故の実話を基に、絶体絶命の危機に陥った乗組員たちの救出劇をスリリングに描いた人間ドラマである。主演は船長のジェームス・ラベルを演じるトム・ハンクスであるが、この映画のもう一人の主人公が、当時、NASAの主席飛行管制官をつとめていたジーン・クランツ。エド・ハリス演じるこのリーダー、ジーン・クランツは、このアポロ13号の絶命の危機を救う。
この事故は、月に向かって飛ぶアポロ13号が、突然、酸素タンクの爆発事故を起こし、深刻な電力不足と水不足という絶望的な状況に陥ったもの。
この前代未聞の事故に遭遇し、NASAの全米でも選り抜かれたスペシャリスト集団たちは途方に暮れる状況。しかし、この専門家達の誰もが、前代未聞の事故の前で解決策が見つからず、途方に暮れる状況の中で、ジーン・クランツは強いリーダーシップを発揮し、「我々のミッションは、この3人の乗組員たちを生きて還らすことだ!」と言って、次々に発生する難問に対して専門家達の知恵を総動員し、解決策を見つけ、次々と問題を解決していく。この一人のリーダーの見事な姿は、自身のミッションを明確に定め、そのミッションの完遂まで決して諦めない姿を示してくれた。
もう一つ、別な話をしたい。
米国にノーベル経済学賞を受賞したケネス・アロー、ノーベル物理学賞のマレー・ゲルマン、同じく物理学賞のフィリップ・アンダーソンが設立した「サンタフェ研究所」という研究所がある。この研究所で働く研究者は、物理学、化学、生物学、医学、脳科学、心理学、社会心理学、人類学、文化人類学、社会学、経済学、政治学、歴史学、情報科学など、ほとんどすべての研究分野から研究者達が集まっていた。そして、この研究所は「学際的アプローチ」や「総合的アプローチ」に果敢に挑戦するスタイルを採っていて、例えば、経済学者と物理学者といった全く違った分野の専門家が一緒のテーブルに着き、専門用語の壁を超え、「複雑系」といったテーマについて、自由かつ率直に議論するといった文化を持つ。
この研究所の創設者でもある元所長のジョージ・コーワン博士は、サンタフェ研究所の将来に対し、今後、どの分野の専門家(スペシャリスト)を必要としているのか、の問いに対し、以下のように答えたという。
「この研究所には専門家(スペシャリスト)は、もう十分にいる。我々が本当に必要としているのは、それら様々な分野を、研究を『統合』する『スーパージェネラリストだ』」と。
個別の分野の「専門に知性」だけでは解決できない「学際的問題」を解決するために、個別の「専門の知性」を、その「垣根」を超えて統合する「統合の知性」が必要であり、コーワン博士が「スーパージェネラリスト」と呼んだのは、そうした「統合の知性」を持った人材のことで、それは、様々な専門分野を、その境界を超えて水平に統合する「水平統合の知性」を持った人材のことを云うのだそうだ。
多摩大学大学院名誉教授でシンクタンク・ソフィアバンク代表の田坂広志氏は「専門の知性」ではなく、「統合の知性」を持った人材、それも「水平統合の知性」ではなく「垂直統合の知性」を持った人材が必要であると言う。そして、映画「アポロ13号」で描かれたジーン・クランツの姿は、我々に求められる「知性」の在り方を象徴的に示しているというのである。
・これまで誰も経験したことが無い、前代未聞の事故。
・絶望的な極限状況に置かれた、三人の乗組員の生命。
・専門家達も解決策を見出せない、想像を絶する難題。
こうした問題を前にして、NASAの専門家達を率い、その難題に粘り強く取り組み、最終的に、それを成功裏に解決した人物。容易に答えの見つからない問いに対して決して諦めず、その問いを問い続ける「知性」を持ったジーン・クランツは「垂直統合の思考」を持っていたという。すなわち、様々なレベルでの思考を切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合することができるのだというのだ。
そして、その様々な思考とは、次の「7つのレベルの思考」を指す。
①明確な「ビジョン」
②基本的な「戦略」
③具体的な「戦術」
④個別の「技術」
⑤優れた「人間力」
⑥素晴らしい「志」
⑦深い「思想」
これら「7つのレベル思考」を切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合することができ、「垂直統合」の思考を身に付けていたと言うのである。
では、この「7つのレベルの思考」を身に付けるにはどうしたら良いのか。
その答えは「自己限定を捨てる」こと。
我々は、無意識に自分の思考を自分が得意だと思っている「思考レベル」に限定しておこなう傾向があり、その「自己限定」のために、自分の中に眠る「可能性」を開花させることができないで終わってしまう。自分の限界を超えることにより、「7つのレベル思考」を身に付けることができるのである。
私は、習字教室を営み、書道家という肩書も持っていることにおいては、その分野ではスペシャリストではあるが、勉強会、イベントの主催などを開催する寺子屋「玉川未来塾」主宰者の立場では、スペシャリストを講師に依頼し、それを形にするといった意味では、ジェネラリストであるかと思う。
現代社会を見ていると、それぞれの分野でのスペシャリストはたくさんいるが、ジョーン・クランツのように、客観的な視野で物事を整理し、そして、総合して物事の解決に向かって尽力するといったジェネラリストの存在はスペシャリストに対してどの程度の割合でいるのか。むしろ、少ないのではないか。
ジェネラリストの視点をもって、物事に当たることが、複雑化した現代社会にはとても必要ではないのか。そして、自己の限界を超えることこそが、人間を成長させる早道なのではないか。さらには、そうすることによって、「スーパージェネラリスト」という「垂直統合」の思考を身に付けることができ、どんな困難にも立ち向かい、解決することができるのではないか。色々な問題が湧き起こる現代だからこそ、そう思って止まない昨今である。
あの悲劇を繰り返さないためにも
2023.05.08
「日本がなぜあの戦争に突入したのか」
この疑問を解決するため、前回のブログで「開戦の詔書」を紹介した。その詔書で、日本は支那を侵略する意図が無かったことが分かる。また、東アジアの平和を乱しているのは当の支那人であり、そして、米英との戦争は避けたかったが、「日本の自存と自衛」にやむなく立ち上がったことが読み取れる。
このように、開戦の詔書の内容において確認すべきことは、大東亜戦争が、我が国の生存に対する重大な脅威を除去し、アジア永遠の平和を確立することを目的にした自衛のための戦争であると宣言されていることである。そして、戦後において、天皇陛下は、この開戦の詔書で示された自衛のための戦争との宣言を一切撤回されていない。このことを深く心に刻むべきである。しかし、このことだけでは、「日本がなぜあの戦争に突入したのか」の疑問の解決には足りない。
評論家の江崎道朗氏は「コミンテルンや社会主義、共産主義といった問題を避けては、その全体像を理解するのは困難なのだ」と言う。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を、そして旧ソ連が「リッツキドニー文書」を公開したことで、今まで隠されていた歴史の真実が明らかになり、その結果、大東亜戦争の背景に、「ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあった」ことが明らかになった。その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」や、旧ソ連コミンテルンが米国共産党を操り日米対立を煽り、その恐るべき反日プロパガンダ工作の全貌を報じた極秘文書である、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になり、近現代史の真実を知ることができるようになった。つまり、あの戦争とは、自存自衛の戦争であったことと同時に、「ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあった」こと、そして、ルーズベルト政権にいたコミンテルンによるスパイ工作員によって導かれた戦争であったのであると位置づけられるのである。
しかも、この共産主義の脅威は今もなお、現在進行形であるということを心しなければならない。
トランプ前大統領はロシア革命から100年にあたる2017年11月7日、この日を「共産主義犠牲者の国民的記念日と定め、旧ソ連や北朝鮮などを念頭に「共産主義によって1億人以上が犠牲になったがその脅威はいまだに続いている」と批判した。
欧州議会も第二次世界大戦勃発80年にあたる2019年9月19日、「欧州の未来に向けた欧州の記憶の重要性に関する決議」を採択した。「第二次世界大戦を始めたのはナチス・ドイツとソ連であったにもかかわらず、そのソ連を『正義』の側に位置付けた『ニュルンベルク裁判』は間違いだとして事実上の戦勝国史観見直しを決議したのだ」と。
「ヴェノナ文書」の公開を契機に、米国の保守派の間に、第二次世界大戦の責任は、ルーズベルト民主党政権とその背後で日米戦争を仕掛けようとしていたコミンテルンにあるのではないか、との問題が浮上し、そして、今では、戦後秩序の根底にあった「戦勝国史観」が欧米を中心に見直されている。
しかし、日本では、このことが大々的に報道されないばかりか、「日本の軍国主義者が世界征服を目論み、大東亜戦争を引き起こした」とされる東京裁判史観を信じ込んでいる人々が、まだ多数存在する。
私は、この戦後矛盾を解消したく、昨年、私が主宰する「寺子屋『玉川未来塾』」において「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」トークライブを開催したのだが、まだまだ力不足を感じて止まない。私自身は、引き続き大東亜戦争の真実をお伝えしたく、今回は「『大東亜戦争 失われた真実」トークライブ」を開催する。ご興味のある方は以下のURLに内容や申し込み方法など詳細を記載しているので、ぜひ、ご覧いただきたい。
https://tamagawa-miraijuku.com/event/050527.html
多くの人たちの、縛られた「東京裁判史観」からの脱却を、強く願うものである。また、このような悲劇を繰り返さないためにも、東京裁判史観から目覚め、そして、日本はインテリジェンスを充実、拡充させなければならないのであり、必要不可欠なのである。
この疑問を解決するため、前回のブログで「開戦の詔書」を紹介した。その詔書で、日本は支那を侵略する意図が無かったことが分かる。また、東アジアの平和を乱しているのは当の支那人であり、そして、米英との戦争は避けたかったが、「日本の自存と自衛」にやむなく立ち上がったことが読み取れる。
このように、開戦の詔書の内容において確認すべきことは、大東亜戦争が、我が国の生存に対する重大な脅威を除去し、アジア永遠の平和を確立することを目的にした自衛のための戦争であると宣言されていることである。そして、戦後において、天皇陛下は、この開戦の詔書で示された自衛のための戦争との宣言を一切撤回されていない。このことを深く心に刻むべきである。しかし、このことだけでは、「日本がなぜあの戦争に突入したのか」の疑問の解決には足りない。
評論家の江崎道朗氏は「コミンテルンや社会主義、共産主義といった問題を避けては、その全体像を理解するのは困難なのだ」と言う。
1995年、アメリカ政府が政府の機密文書「ヴェノナ文書」を、そして旧ソ連が「リッツキドニー文書」を公開したことで、今まで隠されていた歴史の真実が明らかになり、その結果、大東亜戦争の背景に、「ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあった」ことが明らかになった。その後も、ソ連による秘密工作の実態を記したソ連の内部文書「ミトロヒン文書」や、旧ソ連コミンテルンが米国共産党を操り日米対立を煽り、その恐るべき反日プロパガンダ工作の全貌を報じた極秘文書である、日本外務省による「米国共産党調書」などが公になり、近現代史の真実を知ることができるようになった。つまり、あの戦争とは、自存自衛の戦争であったことと同時に、「ソ連コミンテルンによる謀略の側面もあった」こと、そして、ルーズベルト政権にいたコミンテルンによるスパイ工作員によって導かれた戦争であったのであると位置づけられるのである。
しかも、この共産主義の脅威は今もなお、現在進行形であるということを心しなければならない。
トランプ前大統領はロシア革命から100年にあたる2017年11月7日、この日を「共産主義犠牲者の国民的記念日と定め、旧ソ連や北朝鮮などを念頭に「共産主義によって1億人以上が犠牲になったがその脅威はいまだに続いている」と批判した。
欧州議会も第二次世界大戦勃発80年にあたる2019年9月19日、「欧州の未来に向けた欧州の記憶の重要性に関する決議」を採択した。「第二次世界大戦を始めたのはナチス・ドイツとソ連であったにもかかわらず、そのソ連を『正義』の側に位置付けた『ニュルンベルク裁判』は間違いだとして事実上の戦勝国史観見直しを決議したのだ」と。
「ヴェノナ文書」の公開を契機に、米国の保守派の間に、第二次世界大戦の責任は、ルーズベルト民主党政権とその背後で日米戦争を仕掛けようとしていたコミンテルンにあるのではないか、との問題が浮上し、そして、今では、戦後秩序の根底にあった「戦勝国史観」が欧米を中心に見直されている。
しかし、日本では、このことが大々的に報道されないばかりか、「日本の軍国主義者が世界征服を目論み、大東亜戦争を引き起こした」とされる東京裁判史観を信じ込んでいる人々が、まだ多数存在する。
私は、この戦後矛盾を解消したく、昨年、私が主宰する「寺子屋『玉川未来塾』」において「欧米で広がる戦勝国史観の見直し」トークライブを開催したのだが、まだまだ力不足を感じて止まない。私自身は、引き続き大東亜戦争の真実をお伝えしたく、今回は「『大東亜戦争 失われた真実」トークライブ」を開催する。ご興味のある方は以下のURLに内容や申し込み方法など詳細を記載しているので、ぜひ、ご覧いただきたい。
https://tamagawa-miraijuku.com/event/050527.html
多くの人たちの、縛られた「東京裁判史観」からの脱却を、強く願うものである。また、このような悲劇を繰り返さないためにも、東京裁判史観から目覚め、そして、日本はインテリジェンスを充実、拡充させなければならないのであり、必要不可欠なのである。